日本では、国家安全保障戦略など防衛関連3文書の改定について16日に閣議決定する予定。防衛力の抜本的強化、特に「反撃能力」保有が明記される。
日米両政府は自衛隊と米軍のそれぞれの役割と任務を定めた日米ガイドラインを締結している。2015年の改訂版では、敵のミサイル発射拠点などを叩く「打撃力」を伴う作戦は米軍が実施し、自衛隊は支援ができると定められている。今後の実情に合わせ、さらに改定する方向で調整が進められている。
「反撃能力」をめぐる議論
日本政府が防衛力の抜本的な強化に向け、年末までに策定する文書は「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の3つ。この中で「反撃能力」は「必要最小限度の自衛の措置」と定義され、憲法や国際法の範囲内で行使されるとしたうえで、専守防衛の考え方は変わらないと強調されている。
一方で「反撃能力」行使の装備として、国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」の改良型や「高速滑空弾」の開発および量産、米巡航ミサイル「トマホーク」を念頭に外国製ミサイルの取得が盛り込まれている。
自民・公明両党は2日、日本国外の領域でミサイル発射を阻止する「反撃能力」を保有することで合意した。「反撃能力」を行使できるのは自衛権行使の3要件を満たした場合。つまり「武力攻撃が発生して日本の存立が脅かされ」「これを排除するのに他に適当な手段がない場合に」「必要最小限の実力行使にとどめる」というものだ。
11月30日、岸田首相は参院予算委員会で、反撃能力について「先制攻撃は国際法違反であってはならない。しっかりと明らかできる制度を作りたい」「米軍としては、こうした敵基地攻撃能力の実施をすることを確認している」と述べた。
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