日経新聞などによると、国内損害保険各社は来年1月1日以降、ロシアやウクライナ周辺での軍事行動による沈没などの被害を補償する「船舶戦争保険」の提供を停止する。黒海やアゾフ海だけでなくロシアの極東海域も対象となり、日本企業も参画する石油・ガス開発事業「サハリン2」からのLNG輸入にも影響を与える可能性があると報じられていた。
ロイター通信は、金融庁と資源エネルギー庁が業界団体の日本損害保険協会宛てに異例の要請を行ったと報じている。経産省高官は次のように話しているという。
「金融庁と資源エネルギー庁は、日本のエネルギー安全保障の鍵となる『サハリン2』からのLNGを輸送する船主に対する、『船舶戦争保険』を継続するために行動を起こすよう要請した(英語からの翻訳)」
現在、日本はロシアから石油を輸入していないものの、LNGの輸入は続けている。「サハリン2」からのLNGは日本の天然ガス需要の9パーセントを占めており、日本の総発電量の約3パーセントを賄っているとされる。このため、岸田文雄首相をはじめ日本側は「『サハリン2』は日本のエネルギー安全保障上、重要なプロジェクトである」との認識を度々示している。
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