「欧米はロシアに嘘をついている」 前独首相と元仏大統領の発言受け=米軍事専門家

1990年代にUSNCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の一員として働いた米国の軍事アナリストのスコット・リッター氏は、ドイツのアンゲラ・メルケル前首相とフランスのフランソワ・オランド元大統領の声明に関して発言し、「欧米はロシアに嘘をついている」と述べた。
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メルケル氏は昨年12月、独紙「ディー・ツァイト」からの取材に対し「2014年に締結されたミンスク合意は、ウクライナ軍を増強するのに時間的猶予を与えるための試みだった」と述べた。これを受け、オランド元大統領もこの発言に同意した。メルケル氏はその際、ミンスク合意の締結時に、NATO諸国がウクライナに対し現在ほどの支援を行えたかどうかは疑わしいと指摘した。
ロシアのプーチン大統領は、このメルケル氏の発言について、予期せぬものであり、落胆させられるものだったと述べた。 国連はこれらの欧州の元指導者らの発言は歴史研究家やジャーナリストに対するものだとしてコメントを差し控えている。
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リッター氏は、シラー大学が組織したイベントで発言した中で「欧米諸国のロシアに対するアプローチに関しては、あらゆる嘘、あらゆる真実の歪曲、あらゆる信用の毀損がまるで当然のことのように受け入れられている」と述べ、「アンゲラ・メルケル氏が現在嘘つきなのか、これまでもいつもそうだったのかという質問に答えられるのは彼女だけだが、 彼女が嘘つきであることは事実だ」と語った。
さらにリッター氏は、「嘘つきである以上 、メルケル氏に対してはいかなる信頼もない。それはフランスに対しても、米国に対しても、集団的な欧米諸国に対しても同様だ。我々はロシアに対し、嘘つきと関係を保ち、嘘つきが二度と嘘をつかないよう期待しつつ、国家安全保障分野の利益に深刻な危険を与え るよう要請しているのだ」と強調した。
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その上で、ロシアの観点から見れば、これはただ無責任で非現実的な提案にすぎないとし、「欧米諸国はそうなってくれることを望んでいたが、結局はこれに失敗した。そこで今、状況を改善するためにはロシアが善意を示してくれるかどうかに完全にかかっている」とも指摘した。
リッター氏は、欧米諸国はロシア人を悪魔化したとの考えを示し、「欧米諸国はプーチン大統領を然るべき歴史の文脈で捉えることもできず、現代のロシア社会の産物だと認めることもできず、また今日の問題解決をめぐってプーチン大統領と責任ある形で関係を築くこともできずにいる」と締めくくった。
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