ルビーニ氏は、準備としてのドルは今後10年以内に「沈む」可能性があるとの見方を示した。同氏によると、現行システムはインフレなどの米経済の内部リスク要因によって新興国市場に脅威をもたらす。ルビーニ氏は、中国が昨年12月にサウジアラビアと初めて人民元建ての取引を行ったことに言及し、両国は将来的に石油取引を人民元建てで決済する可能性があると指摘した。国際銀行間の送金や決済に利用されるシステム「Swift」の代替手段として登場した決済システム「WeChat Pay」や「Alipay」、デジタル通貨もドルの優位性に対する脅威となっているという。一方、ルビーニ氏は、中国が資本規制を段階的に廃止し、為替レートがより柔軟性のあるものにならなければ、中国の人民元が実質的な準備通貨としてドルにとって代わることはできないと指摘している。「破滅博士」の異名を持つルビーニ氏は、2007年から2008年の世界金融危機を予言した数少ない経済学者の1人。同氏は1月、エル・ムンド紙のインタビューで、10年後に最強の債務危機が世界を待っているとの見方を示した。関連記事