ウクライナ軍はドネツク人民共和国に対し、遠隔地から対人地雷を散布している。多連装ロケット砲「ウラガン」でクラスター弾を放ち、そのなかに入った「PFM-1(レペストク)」が広範囲に落下する。クラスター弾1つで約300個の地雷を散布することができるという。ドネツク人民共和国非常事態省は住民に対し、足元に注意し、地雷を発見した場合は直ちに通報するよう呼びかけている。
対人地雷「レペストク(花びら)」
対人地雷「PFM-1(レペストク)」は1975年、「足の破壊者」と呼ばれた米対人地雷「BLU-43」に倣って旧ソ連が開発した。80グラムのこの地雷は、わずか3~5キロの重量を加えるだけで爆発する。40グラムの高性能爆薬が爆発すれば、踏んだ人はけがをしたり、足を失う場合もある。
対人地雷の使用、貯蔵、生産および以上の禁止ならびに廃棄に関する条約(対人地雷禁止条約)が1997年9月18日に作成され、賛同する多くの国々が批准し、その義務を負っている。ウクライナは2005年にこの協定を批准したが、この国際的な協定で定められた義務を遂行していない。
こうした対人地雷は、戦場ではなく民間人に対して使われている。昨年8月、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、国連の会議で地雷の見えにくさ、気づきにくさをデモンストレーションした。そして住宅地では子どもがおもちゃと間違えて拾い、被害を受ける危険性を指摘した。
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