日本の各メディアは主にウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦に関わる部分に焦点をあてた。冒頭にあった「我々はドンバスの問題を平和的な手段で解決するためにできることをすべて行った」「戦争を始めたのは彼らだ。我々はその戦争を止めようと軍事力を使っている」との部分を引用し、特殊軍事作戦を「侵攻」と呼び、「正当性を改めて訴えた」「継続を強調した」などと西側の視点で批判的に伝えた。
また、新戦略兵器削減条約(新START)への参加を一時的に停止すると表明したことについて取り上げたメディアもある。NHKはこれを「一方的」「アメリカを強くけん制」と伝えているが、プーチン大統領は次のように述べてロシアの立場を説明している。
「現在の新戦略兵器削減条約(新START)には最も重要な条項が含まれている。これは長い間忘れられてきた。米国は条約から脱退した。全ては過去のものとなったのだ。我々(編注:露米)の関係は悪化しており、これは全て米国が原因だ。米国こそソ連崩壊後に第二次世界大戦の結果を修正しようとしたのだ」
今回の演説に対し、西側の視点に沿った報道をいつも見聞きしている日本の読者、視聴者からのコメントは、総じて否定的なものが多かった。だが一部では「日本ではNATOアメリカ寄りの報道しか見ないためロシアを非難するのは仕方ない」「日本に原爆落として大量の日本人を殺したのはアメリカとイギリス達なのになぜロシアの発言は全て批判され信用されないのだろう?なぜ西側とアメリカに支配されてるニュースを全て鵜呑みにして信じるのかわからない」といった声もあった。
約2時間にわたる年次教書演説はスプートニク日本もリアルタイムで伝えた。スプートニクは演説の詳細(日本語訳)を近く掲載する。