ブリンケン国務長官は2日、インドのニューデリーで開催されたG20外相会合の枠組みでラブロフ外相と「移動中」に行った短い会談で、ロシアに新START条約(新戦略兵器削減条約)の履行とウクライナでの特別軍事作戦を停止を求め、ロシアでスパイ活動により有罪判決を受けた米国人ポール・ウィラン氏の件を提起したという。
その会談後、ザハロワ報道官はラブロフ外相に、ブリンケン国務長官がウィラン氏の件を本当に提起したのかどうかを確認した。その件を確認したザハロワ氏は「昨日ブリンケン氏が米国市民(ウィラン氏)を取り巻く状況に懸念を表明したという話はすべて嘘である」と指摘し、「米政権の信じられないような行動」に対して不満を表明した。
ロシア連邦保安庁が発表したように、ウィラン被告は2018年12月末、スパイ活動中にモスクワで拘束された。弁護側はウィラン氏は挑発行為の犠牲者であるとし、ウィラン自身は無罪を主張した。被告は現在、16年の刑期で服役中。米国は、ウィラン氏の釈放についてロシアと協議中であると繰り返し述べている。
2022年7月末、米政権はロシア政府に対し、米国で有罪判決を受けたヴィクトル・ブート氏と、米国人のウィラン氏および麻薬密輸で懲役9年の実刑判決を受けたバスケットボール選手ブリトニー・グライナー氏の身柄交換を提案した。しかし、同年12月に行われた身柄交換は、ブート氏とグライナー氏のみで行われた。
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