日本の医療分野の対露制裁、国内産業発展の必要性を考えるシグナルに=ムラシコ露保健相

ロシアのミハイル・ムラシコ保健相は6日、日本が2月に発動した医療分野の対露制裁について、ロシアの保健分野に大きな影響を与えるものではないものの、自国の産業を発展させるためのきっかけとなったとの見解を示した。
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日本は2月3日、医療製品などの対露輸出を原則として禁止する追加制裁を発動した。経済産業省が発表した資料によると、具体的には「ワクチン、免疫毒素並びに軍⽤の細菌製剤の原料として⽤いられる⽣物、毒素若しく はそのサブユニット⼜は遺伝⼦を含む医療製品及び診断⽤⼜は⾷品検査⽤のキット」が対象になっている。
これを受け、ムラシコ保健相はロシア連邦議会の保健委員会で次のように述べている。

「日本についていえば、彼らが何か厳しい決定をしたわけではないと指摘したい。制裁によって厳しい制限を受けているということもない。だが、ロシアにとってはシグナルとなった。自らの産業を発展させなくてはならないと考えるきっかけとなった」

一方でムラシコ保健相は、物流網は生産体制の変化に起因する一定の問題も出ていると指摘。解決に向け動いているとした。
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これまでに極東連邦大学のピョートル・サモイレンコ助教授は、医療分野の日本の対露制裁について、極東ロシアで市場を開拓した日本企業が最も大きな影響を受けるとの見解を示していた。一方、ロシア側から見ると、貿易全体に占める日本からの輸入割合は大きくなく、第三国からの並行輸入や国内企業による輸入代替で対応できるとしている。
また、日本は今月初めにも新たな禁輸措置、資産凍結などの対露制裁を行っているが、すでに手を出し尽くしており、残された制裁のオプションは少ないとの指摘もある。モスクワ国際関係大学東洋研究学部長のドミトリー・ストレリツォフ氏は「日本はすでに、ロシア政権幹部や大手銀行などを対象にできるなかで最も強い制裁措置をとっている。そのため、追加制裁で状況が変わるとは思わない」と述べている。
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