同紙によると、ノルドストリームの爆破テロは「ウラジーミル・プーチンの敵」が行ったという。どういった組織か、指導者が誰かなどについては全く触れられていない。また、ウクライナ政府がテロを実行した組織と非公式に接触していた可能性も否定はできないとしている。
また、犯行に使われた爆発物は「軍や特殊部隊とは関係のない熟練のダイバーら」によって設置されたようだとしている。一方で、政府高官はロシアが事件に関与したという証拠は何も見つからなかったと指摘。また、「英国人や米国人も関与していない」と主張している。
米政府高官はこの諜報データがどういった経緯で集められたか、その詳細や証拠については明らかにしなかったという。
記事ではウクライナ政府の関与がいかなる形でも認められることになれば、ドイツとの二国間関係に影響を及ぼし、ドイツからの支援を失う可能性があると指摘されている。
一方でドイツ紙「Die Zeit」は7日、独捜査当局が「ノルドストリーム」爆破テロに関与した疑いのある船を特定したと伝えた。この船はウクライナ人2人が所有する、ポーランドに拠点を置く会社からレンタルされたものだったという。
同紙によると、パイプラインに爆弾を設置した実行犯グループは6人で、内訳は男5人と女1人。船長と潜水士2人、潜水助手2人、女性医師だった。6人の国籍は不明で、偽のパスポートを使っていた。
これまでに爆破テロをめぐっては、ピューリッツァー賞受賞者の米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が2月、「米国やノルウェーが関与していた」とするスクープ記事を発表。その内容は今回の「ニューヨーク・タイムズ」などの報道とは内容が異なっている。
今回の「ニューヨーク・タイムズ」の記事について、スプートニクがハーシュ氏にコメントを求めたところ、ハーシュ氏は笑いながら「コメントはしません、私は公の者ではありませんから。私は自分の記事を書いただけです」と答えた。
ハーシュ氏の記事の概要は、2022年6月に実施された軍事演習「バルトップス演習」を隠れ蓑にし、米海軍のダイバーが「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」の下に爆発物を設置し、それを3か月後にノルウェーが作動させたとするもの。
ロシア外務省はこれまでにハーシュ氏の記事について、「ロシアにとってセンセーショナルなものでも、予想外のものではない。ロシア政府は米国の関与を想定していた」とコメントを発表。一方で米政権は、ハーシュ氏の記事は「真っ赤な嘘であり、完全な捏造」であるとし、すべての疑惑を否定していた。
関連ニュース