米紙「ニューヨーク・タイムズ」は同日これに先立ち、「ノルドストリーム」の爆破テロは何らかの親ウクライナ派組織が実行した可能性があるとする記事を公開していた。記事中では「米国はテロに関与していない」とする米高官の主張も記されている。また、独紙「Die Zeit」も同日、ドイツの捜査当局がテロに関与した疑いのある船はウクライナ人が所有する会社からレンタルされたものだったと特定したと伝えている。
ザハロワ報道官は、爆破の犯人が「ロシアではない」「ウクライナの組織によるものだ」とする捜査結果についての記事を、西側メディアが爆弾のように投下していると指摘。米国やその同盟国の関与をあたかも否定するような報道の内容を念頭に、次のようにコメントしている。
「こうした情報をリークしているのは誰なのだろうか。答えはこうだ。法のフィールドでの捜査を避け、聴衆の注意を事実から背けさせようとする者だ」
また、ザハロワ報道官は事件に関連する一部の西側諸国は、ロシア側の公式な質問に答え、これより前に発表された米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏による事件に関するスクープ記事の内容を精査すべきだと指摘した。
ハーシュ氏のスクープ記事
「ノルドストリーム」の爆破テロに関連し、ピューリッツァー賞受賞者の米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏は2月、「爆破に米国が関与していた」とするスクープ記事を発表した。記事の概要は、2022年6月に実施された軍事演習「バルトップス演習」を隠れ蓑にし、米海軍のダイバーが「ノルドストリーム」に爆発物を設置し、それを3か月後にノルウェーが作動させたとするもの。
ロシア外務省はこれまでにハーシュ氏の記事について、「ロシアにとってセンセーショナルなものでも、予想外のものではない。ロシア政府は米国の関与を想定していた」とコメントを発表。一方で米政権は、ハーシュ氏の記事は「真っ赤な嘘であり、完全な捏造」であるとし、すべての疑惑を否定している。
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