プーチン大統領は、今回の配備が核不拡散条約(NPT)に違反しない形で実現されると強調。ロシアはベラルーシに核兵器を渡すわけではなく、米国がこれまで他国に自らの核兵器を配備してきたように、ロシアの核兵器をベラルーシに配備するだけだと説明している。
今回の決定の動機は、英国がウクライナに劣化ウラン弾を供与すると発表したことにあるとしている。英国はこのごろ、核芯に劣化ウランを使用した砲弾を戦車「チャレンジャー」とともにウクライナに供与する計画を明らかにした。これを受け、これまでにプーチン大統領は「西側が核物質を含む兵器を適用しつつあることに鑑み、ロシアは相応の反応をせざるを得ない」と警告していた。
プーチン大統領によると、7月1日にベラルーシ国内の核兵器保存施設の建設が完了する。また、すでに核兵器運搬手段となりうるミサイル複合システム「イスカンデル」をベラルーシに移しているという。また、プーチン大統領はベラルーシが以前からロシアの核兵器の配備を求めていたとも明らかにした。
また、西側諸国によるウクライナへの兵器供与については、「ロシアはとても多くの兵器がウクライナへ供与されることを知っている。だが、ロシアの国防産業はウクライナに供与される弾薬数の3倍以上の量を製造できる」と述べた。戦車についても、西側諸国が400両以上を供与しようと図る一方で、ロシアでは向こう3年で1600両以上の戦車の製造が予定されていると強調。全体ではロシアはウクライナ軍の3倍かそれ以上の数の戦車を保有することになるとしている。
一方、プーチン大統領はノルドストリーム爆破テロにも言及。「爆破に米国特殊部隊が関与していた」とする調査報道を行ったピューリッツァー賞受賞者の米ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏の結論に「完全に同意する」と述べた。
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