FRBによる利上げは、この1年で9回目となる。FRBのジュローム・パウエル議長は、「高いインフレが購買力を低下させていることは、特に食料、住居、交通などの基本的な必需品のコスト上昇に対応できない人に対して、大きな苦難をもたらすことを認識している」と同局とのインタビューで語り、インフレ率が依然として高すぎることを認めた。同局によると、実際、米国人の支出は増加の一途をたどっている。消費者は、1年前と比べて牛乳に7%、パンに20%、卵1パックに110%多く支払っている。このため、米国の家計では毎月平均で372ドル(約4万8640円)も増えている。
CBSのビジネスアナリストであるジル・シュレシンジャー氏は、利上げゲームはインフレを抑えることを目的としているが、これは米国人にとって債務の返済がより高額になることを意味すると指摘している。同氏によると、債務のカテゴリーには、クレジットカードの未払い分、変動金利の住宅ローン、短期金利に連動するビジネスローン、さらには新車のローンも含まれる可能性がある。シュレシンジャー氏は、「FRBは、国内の銀行部門について心配するよりも、インフレに重点を置いていることを示したかったのだろう」と指摘している。
米国の下院議員らは、FRBの政策が上手くいくとはみていない。高いインフレ、そして最近では銀行危機が起きたことで、米議会ではFRBとそのトップが標的となっている。共和党のジョン・ニーリー・ケネディ上院議員は、議会による財政援助がなければ、FRBはインフレを抑制することは決してできず、多くの人に損害を与え、多くの人が失業することになる、と率直に述べている。
スプートニクは以前、FRBが、米国の銀行システムは強固であり回復力もあるものの、最近の動向が経済活動を圧迫する可能性があると発表したニュースについて報じた。
関連ニュース