同紙は次のように伝えている。
「西側の支援は固いが、保証されたものではない。例えば、米国の軍事支援の予算は9月ごろに使い果たされると予想されている。また、米国防長官は最近ウクライナに供与された弾薬について『最後の努力』と表現している」
反露路線を貫くバイデン政権は、どうにかして支援予算をひねり出そうとするだろうが、米国の財源も無限ではない。昨今の無分別な財政支出の増大によって債務は記録的に増加しており、債務不履行(デフォルト)の危機さえ迫っていると指摘される。1月には公的債務が上限に達しており、歳出削減と上限引き上げをめぐる与野党の駆け引きが続いてきたが、議論は平行線を辿っている。
これを背景に、野党共和党の議員らを中心に、ウクライナへの財政及び軍事支援を打ち切るよう求める声もあがっている。昨年の米議会中間選挙で、共和党は下院で過半数を獲得しており、バイデン政権は「ねじれ議会」のなかで財政問題を解決し、ウクライナへの支援予算を獲得するという難題を突きつけられている。
2022年1月から2023年1月までのウクライナ支援に向けた米国の総支出は775億ドルに達するとされている。このうち293億ドルは、ロシアの特殊軍事作戦開始以来の直接的な軍事支援。さらに450億ドルは、「ウクライナの安全保障全般、経済回復、エネルギー安全保障、人道的危機への対処能力」を強化するための緊急追加資金という形で拠出された。これとは別に、ウクライナ内外の難民に対する人道支援のための割り当てという形で、19億ドルが挙げられている。
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