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ロシアの学者、人間が月で暮らせる期間について語る

ロシア科学アカデミー生物医学問題研究所・有人飛行放射線安全部門のヴャチェスラフ・シュルシャコフ主任は、月面基地で人間は2年以上暮らすことができないとの見方を示している。ロシアのニュースサイト「ガゼータ・ルー」が報じた。
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シュルシャコフ氏によると、現在、宇宙飛行士がそのキャリアで浴びる宇宙放射線は合計およそ1000ミリシーベルトで、原子力産業の労働者が生涯で受ける量と同等。

「これを考慮に入れると、宇宙飛行士は宇宙ステーションで4年以上生活することはできない。その宇宙放射線量を巡る環境を考慮すると、人間は月に2年以上滞在することはできない」

シュルシャコフ氏は、月の植民地化、すなわち月でれっきとした生活を送ることができないのは、まさに放射線量が高いからだと指摘している。なお、地球に住む人間は、その悪影響から守られているという。
シュルシャコフ氏は特に、地球は一種の宇宙船であり、そこには大気という独自の防御があると指摘している。同氏は、これを水柱に換算すると10メートル相当となり、宇宙船のためにこのような防護をするのは不可能だとしている。
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火星の植民地化にかかる時間は? 研究者が予測

「一方、月面でのミッション中に水がたくさんある場所を見つけた場合には、そこに月面基地を建設することができる。水を豊富に含む月のレゴリス(月面の砂)は、放射線から十分に保護してくれるだろう。水は中性子束を見事に減速させる。そしてそのような場所は多くの点で好適なものとなるだろう」

スプートニク通信は先に、火星の植民地化にかかる時間について報じた。
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