ウクライナ上空の制空権をめぐる闘い

「飛び立つことさえできないだろう」 英国の軍事専門家、ウクライナにおけるF-16運用の困難について語る

ウクライナ当局はここ数か月、米国のF-16をはじめとした戦闘機の供与要求を強めているが、F-16はウクライナの現状に合致していない可能性がある。ビジネス・インサイザーが、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のアナリスト、ジャスティン・ブロンク氏を引用して報じた。
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記事では、「ウクライナがF-16を受け取ったとしても、すぐだめになるだろう」と指摘されている。
ブロンク氏は、F-16は非常に「壊れやすい」ため、清潔でしっかりと整備が整った特別に準備された空軍基地が必要だとしている。
特に、F-16は機体の下部にエアインテーク(空気を取り入れる入り口)が配置されているため、前部着陸装置の下から飛んできたものはすべて簡単にエンジンに入り込んでしまう。またブロンク氏は、ウクライナの滑走路は F-16がフル装備で加速するには短すぎると指摘している。
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したがってブロンク氏は、ウクライナの空軍基地は改修工事が必要だとの見方を示している。なお同氏は、ロシアには改修工事の開始を追跡し、戦闘機が供与される前にピンポイント攻撃を行う手段があると指摘している。ブロンク氏は、ウクライナの飛行場はすべてロシアのミサイルの射程内にあるが、航空機による脅威がないためそれらの飛行場への攻撃が行われていなかったことに注目している。
同氏はまた、1つまたは2つの基地を急ピッチで準備してそこにF-16を集中させると、標的を限定したわずか数回の攻撃ですぐさまF-16が破壊されるおそれがあるとしている。
これより先、米国のコリン・カール国防次官は、米国がF-16をウクライナに供与するのには1年半を要すると表明した。また米国防総省は、このような戦闘機の輸送には多額の費用がかかり、理にかなわないと繰り返し指摘している。
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