SETIプロジェクト(地球外知的生命体探査)に取り組むオランダのライデン大学の電波天文学者らは、携帯電話の信号が宇宙に伝搬することについて研究している。研究者らによると、地球からの電波漏洩において最も大きな問題となっているのは、軍事用レーダーの信号。そして2番目が、ここ数十年で地球上のほぼ全域を覆うようになった携帯電話の基地局なのだという。もちろん、ほとんどの電波は地表と平行に飛んでいる。しかし、地球の自転に伴って、基地局が宇宙人の星から見て地平線上に現れたり消えたりする瞬間、地球の携帯電話の信号は文字通り近隣の星々に飛んでいってしまうという。
研究者らによると、地球から半径10光年以内であれば携帯電話の電波をキャッチすることが可能だという。銀河系のこのゾーンには、約20個の星がある。研究によると、恒星のプロキシマ・ケンタウリ(4光年)とバーナード(6光年)を囲む惑星は地球人の声を聞くことができるという。研究者らは、人類が5Gなどのより高度なモバイル技術に移行するにつれ、基地局の信号が強くなると指摘している。つまり、そうなればさらに多くの星が「リーチゾーン」に入ることになる。
しかし、研究者らは、たとえ地球の近隣に高度な地球外文明があったとしても、異星人には具体的な何かを聞きとることはできないとみている。携帯電話の基地局からの信号は、互いに重なり合っているからだ。しかし、SMSメッセージは理論的には識別できると研究者はみている。
研究者らは、宇宙人が地球上の信号を受信し、その信号がどのように変化するかを推定することで、地球上の人間がどのように分布しているかを把握することができると指摘している。人口密度の高い場所には、より多くの基地局が設置されている。そして、携帯電話の中継器は陸上に設置されている。つまり、設置されていない場所には、海が広がっている可能性があるのだ。
これよりも前、スプートニクは、米国防総省の専門家が恒星間天体オウムアムアにエイリアンのスパイ物体があるとの見解を発表したニュースについて報じた。
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