市場データによると、30日午前には一時1ドル=145円台までドル高円安が進んだ。29日に発表された米国の経済成長率や失業率などの経済指標は、市場の予想を上回る強い数値だったことにより、米国の引き締め継続と日本の緩和継続が意識されたためとみられる。
一方、毎日新聞などによると、鈴木俊一財務相は30日、「最近は急速で一方的な動きも見られる」と述べ、為替介入の可能性を示唆する「口先介入」で円安の動きをけん制。発言を受け、円相場は再び144円台後半に戻った。
市場介入はその場しのぎ
だが、「口先介入」だけでは円安に歯止めがかかっていないのが現状だ。米国を始め各国がインフレ対策として金融引き締めを維持するか、さらなる利上げを見込んでいるのに対し、日銀は異次元の金融緩和を継続する姿勢を崩していない。日銀は「世界で唯一金融引き締めをしない中銀」として目立ってしまい、警戒感の表明は時間稼ぎにしかなっていない。
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