NHKなどによると、G7法相会合の結果として発表された「東京宣言」では、お決まりとなっているロシア批判に加え、ウクライナの汚職対策を支援する作業部会「汚職対策タスクフォース」の設置について言及されている。設置は日本が主導し、どういった対策か有効かを提案するという。
相次ぐ汚職スキャンダル
ウクライナ国内の汚職の事例は、今年判明したものだけをみても枚挙にいとまがない。
1月には政権の汚職スキャンダルが相次いで明るみにでて、少なくとも12人が事実上の更迭となっている。国防次官による軍の食料調達をめぐる汚職事件のほか、大統領府副長官が米国から人道援助として受け取ったSUV車を公用車として流用した事案など、西側諸国の支援にまで手をつける有様だ。
法を司る裁判所も例外ではない。ウクライナ反汚職特別検察は5月、270万ドル(3億8700万円)の賄賂を受け取ったなどとして、最高裁判所のウセヴォロド・クニャゼフ長官(後に罷免)を拘束した。有罪が確定すれば、最大で懲役12年の実刑判決が下される可能性がある。
また、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領にも疑惑は浮上している。ピューリッツァー賞受賞経験のある米著名ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏は、米中央情報局(CIA)関係者の話として、ゼレンスキー大統領やその側近が、米国から燃料購入費としてあてがわれた資金を着服したと報じている。昨年に横領された額は少なくとも4億ドル(573億円)に上ると指摘されている。
日本の支援も懐に?
ウクライナの財政は、借金を返済するために借金するというまさに自転車操業に陥っている。西側諸国の際限のない資金援助がなければ、とうの昔に破綻しているといっても過言ではない。