ロシアはストーム・シャドウ以外に対しても対抗策を見つける
コラムニストのロゴウェイ氏は、ほぼ無傷の状態のミサイルが鹵獲されたのは望ましくない出来事だと指摘した。特にストーム・シャドウでは、その視認性を低下させる複数のステルス技術が用いられている。ストーム・シャドウで使用されている構造材料や、設計コンセプトそのもの、また弾頭の構造も関心を引く可能性がある。ストーム・シャドウの最も注目すべき要素であり、秘密の要素でもあるのは、搭載されている電子機器、特に誘導システムだ。ロゴウェイ氏は、ミサイルはGPSと地形照合を使って誘導されるが、その飛行の最終段階では自動目標認識(ATR)を備えた解析度の高い赤外線探知装置で標的の位置を把握すると説明している。
このシステムは、オンボードメモリに読み込まれた画像と、最後の攻撃を行うときにその探知装置が探知しているものを照合することで機能する。続いて、搭載された計算システムが標的を照合し(対象を細部に至るまで調べる)、人間の介入なく完全に自律的に極めて正確な攻撃を実行する。これは標的を間違えるのを避けるのに役立つ。またロゴウェイ氏は、ストーム・シャドウは無線周波妨害やその他の電子戦手段の影響も受けないと強調している。
注目に値するのは、ロゴジン氏が落下時の過負荷に耐えたストーム・シャドウの電子機器の高いレベルを称賛したことだ。ロゴウェイ氏は、西側のATRシステムの研究は、ロシアに「このような兵器を狼狽させる」のを「学ばせる」ことになると指摘している。
ウクライナのストーム・シャドウの標的は?
長距離巡航ミサイル「ストーム・シャドウ」は、ウクライナ軍に初めて供与された西側の長距離ミサイル(射程250キロ超)。英国とフランスが開発したこのミサイルは、ロシア領土奥深くへの攻撃に使用されている。5月、ストーム・シャドウでルガンスクの民間人が攻撃され、6月22日にはへルソン州とクリミア半島の境界にある橋が攻撃を受けた。
なお、ロシア軍の防空部隊は定期的にストーム・シャドウを迎撃している。
関連記事