4歳からバイオリンをはじめ、いつか海外留学をしたいと夢見ていた今川さん。当初はモスクワではなくウィーンへの留学を検討していました。しかし、オーストリアの町ペルチャッハにて、力試しに参加したブラームス国際コンクールで運命の出会いがあり、ロシア行きを打診されました。
音楽院で本格的に学ぶ前に、まずは予備科へ入学。そこでは本科に進むための準備として、ロシア語をはじめ、必要となる主要科目を徹底的に勉強しました。現在に至るまで合計6年間ロシアで過ごし、その間には、コロナ禍もあれば、ウクライナ情勢による様々な困難もありました。周囲の日本人の中には、やむを得ずロシア留学を断念する人も。それでも今川さんは、在モスクワの日本人たちに励まされながら、音楽院でバイオリン修行を続ける道を選びました。
そうやって身についたのは、忍耐力や、何があっても物事に動じない力。音楽院の卒業式では、最優秀の成績をおさめた学生にのみ授与される「赤のディプロマ」をもらうことができました。今後は、ソロのバイオリニストとして、モスクワを拠点に更に活躍の場を広げていきます。
これまでの努力の集大成となったチャイコフスキーコンクールで今川さんの演奏を聴いたクラシックファンの日本人男性は「今川さんの演奏は聴いている人をひきつける何かがあると思っています。当然、彼女の才能はあるわけですが、それに加えて、徹底的に叩き込まれた正確な基礎技術、それに裏打ちされた超絶技巧があって、これらが融合し、なんとも言えない素晴らしい調べです。そうそう、バイオリンってこうだったなと、バイオリンの魅力をあらためて感じさせてくれます」と話してくれました。
ロシア生活の悲喜こもごもやロシアの特徴、世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏&マリインスキー劇場管弦楽団との共演、ロシア留学を目指す後輩たちへのメッセージなど、音楽好きの方もそうでない方も、インタビュー動画をご覧ください!
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