穀物合意 現状と今後の展開

ロシアはウクライナ産穀物の供給を代替できる=プーチン大統領、アフリカ紙に寄稿

ロシアはウクライナ産の穀物を、商業ベースでも無償提供の枠組みでも代替することができる。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、27日に開幕するフォーラム「ロシア・アフリカ」を前に、アフリカ有力紙に寄稿した記事で表明した。
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記事はクレムリン(露大統領府)の公式サイトでロシア語やアラビア語、英語など全7言語で公表された。そのなかでプーチン大統領は、ウクライナの合意違反と西側諸国の妨害でロシアが参加停止に追い込まれた穀物合意についても触れた。

「ロシアはウクライナ産穀物を、商業ベースでも無償提供の枠組みでも代替することができる。さらに、今年ロシアでは記録的な収穫が予想されている。制裁下であっても、ロシアはアフリカへの穀物や食料、肥料などの供給実現に積極的に取り組む」

ウラジーミル・プーチン
ロシア連邦大統領
プーチン大統領は記事で、ロシアは制裁で輸送や保険、銀行決済などで厳しい制約を受けているのにも関わらず、2022年の1年間で1150万トン、今年は上半期だけで1000万トンの穀物類をアフリカ諸国に輸出したと強調。一方、穀物合意で輸出されたウクライナ産穀物3280万トン中、アフリカに渡ったのは約3パーセントで100万トン以下だったとも指摘した。
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また、穀物合意で定められた西側諸国によるロシア産穀物類の輸出制限解除は、何一つ履行されなかったと非難。ロシアはアフリカやアジアの最貧国を援助するために穀物合意を受け入れたのにも関わらず、実際にはウクライナ産穀物が裕福な国々に渡り、輸出する米国と欧州の大企業を肥やすためだけに利用されたため、参加を停止したと説明した。
27~28日にロシアのサンクトペテルブルクで経済人道フォーラム「ロシア・アフリカ」とロシアとアフリカ諸国の首脳サミットが開催される。この枠組みでは、2019年に第1回目のサミットが行われており、今回は2回目。参加予定のアフリカ49カ国中、半数以上が首脳級の出席となる。
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