リマレンコ知事は原発処理水の放出について、次のように語っている。
「あのような文化的でハイテクノロジーな民族である我々の隣人(編注:日本人)が、海洋放出をしているのは嘆かわしいことで、恥ずべきことだ。短期的には魚介類の放射線量には影響がないように思える。だが、人生は長く、どこかで影響が出ることは明らかだ。偉大で文化的な民族なのに、こんなことをすべきでない。国民も教養があるので、何をしているかは分かっているはずだ。これは弱さの兆候だ」
一方、処理水放出を受け、ロシアの水産物の輸出は有利になるとも指摘した。
東京電力は先月24日、処理水の海洋放出を開始。日本の各メディアによると、9月11日には初回の約7800トンの放出が完了したが、これまでにトラブルや基準値超えは確認されていない。放出完了までは約30年がかかる。
一方、中止となっている南クリル諸島の元島民らによる墓参事業については、日本政府がロシアに対する敵対的言動をやめない限り、再開は望めないとの見解を示した。
「日本が我々と対立する側につき、敵対的なレトリックを続けている間は、(編注:墓参の)再開は無理だろう。日本が今、ロシアに不満を抱く理由はなく、沈黙を続けるほうが楽だったはずだ。だが、敵対的な言葉を発するようになったあと、漁業も中止となり、人々の往来もなくなった」
墓参などのビザなし交流事業は、2020、21年には新型コロナ禍で、昨年からは露日関係の悪化を背景に中止となっている。日本政府は今年8月、外交ルートを通じてロシア側と再開について協議を続けているが、未だ肯定的な回答は得られないと明らかにしている。
一方、リマレンコ知事はサハリンで活動する日本企業について、「彼らは撤退しようとはしておらず、むしろ関係を発展させようとしている」と評価した。また、「日本人は私と一緒に(編注:ガス関連)施設の稼働開始を喜んだ」とも加えた。
第8回東方経済フォーラムは9月10~13日の日程で、ウラジオストクの極東連邦大学で開かれている。フォーラムには各国の首脳級や政治家、財界人らが集い、地域の発展や国際貿易などについて議論が交わされる。
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