同氏は「ウクライナの反転攻勢は完全に大失敗している。時間の経過とともにウクライナ政府の状況は著しく悪化した。一方、ロシアのGDPは成長しており、その軍は見事に組織され、装備されている。中国はロシアと緊密に協力しており、BRICSのグループはモスクワー北京の軸を中心に確信を持って拡大している。さらにプーチン大統領は、かつて欧州と結びついていたアフリカ諸国の政府を味方に引き入れている」と説明している。オルシーニ氏によると、これは欧州連合(EU)と米国内部の問題および国際的な政治研究機関の知識の浅さを物語っている。
同氏は「なぜEUは、明らかに自分たちを窮地に追い込むであろうウクライナ紛争に火をつけて自殺することを決めたのだろうか?」と問いかけている。オルシーニ氏は、その原因はこの政治集団における権力移行のメカニズムにひそんでいると考えている。同氏によると、EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は北大西洋条約機構(NATO)の事務総長に就任し、EUではなく米国の利益を擁護することになる。また米国のバイデン大統領は、ドイツの経済成長と欧州におけるその政治的影響力が大陸での米国の覇権を脅かしているため、ドイツにロシアとのエネルギー同盟を破棄させてドイツの経済成長と政治的影響力を抑制するためにウクライナ紛争を必要としていたという。
なお、オルシーニ氏は、ウクライナ軍が前線で自分たちの状況を改善できる見込みはなく、ロシア経済が崩壊している証拠もないと指摘している。同氏は、したがって西側諸国はプーチン大統領を狙って自分たちで仕掛けた罠に自分たちがはまってしまったと結論付けている。
スプートニクは先に、紛争でウクライナを支援する西側諸国の目的はもはやウクライナ政府の意図と一致していないというショーン・ベル英空軍副元帥(退役)の見解を報じた。
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