一部米メディアはエイブラムスが比類なき技術的優位性を持ち、世界で最も完成度の高い戦車の1つだと評価している。ロジン氏はエイブラムスの強みを認めながらも、ロシアのT90がこれに対抗しうるライバルになると指摘する。
エイブラムスに対するT90の長所は?
ロジン氏によると、機動性においては重量級のエイブラムスより、比較的軽いT90の方が優れていると話す。T90はエイブラムスより柔軟に移動に対応でき、速度も早い。さらに、ロジン氏は西側諸国が供与している旧式で改良されていないモデルを供与していると指摘。今回ウクライナに到着したエイブラムスは、ウクライナ軍が以前から保有するソ連時代の戦車T64よりも機動性が低く、速度も遅いという。
また、エイブラムスがイラクやアフガニスタンでの戦闘で広く使われていたことにも着目。その際はドローンがあまり使われていなかったなど、前線の条件が現在とは異なる点があった。一方のT90は特別軍事作戦の過程で前線での実情に合わせて防御が大幅に強化されたとロジン氏は指摘する。
また、エイブラムスにはこれまでにロシア軍に破壊された独製レオパルトや英製チャレンジャーと同じ弱点があると語る。主砲がドローン攻撃に対して脆弱であるほか、エンジンの防御が不十分な点が共通の弱みだという。
T-90とM1エイブラムス 一騎打ちではどちらが勝つ?
ロジン氏は、特別軍事作戦のゾーンで戦車と戦車が一騎打ちとなるケースは稀だという。通常、戦車は歩兵の支援や敵拠点の襲撃に使用されるためだ。だが、もし、そのような決闘が行われた場合、先に敵を発見した方が勝者となる。
だが、ロシアのT-90だってしかし、過去数年間に何度も改良を繰り返し、サブキャリバー弾薬の3BM59「スヴィネツ1」や3BM60「スヴィネツ2」のおかげで 高い装甲貫通率を誇っていると言えるとロジン氏は語る。
実践では「スヴィネツ2」は最長2キロの距離から最高700ミリのホモジニアス合成桁のスチール装甲を貫通できることが示されているため、独のレオパルド、英チャレンジャー、米エイブラムスを貫通できるとロジン氏は考えている。
スプートニクは、ロシア軍が「エイブラムス」と戦うのに役立つ4つの要素について説明している。
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