辺野古移設をめぐっては9月、計画変更を承認するよう国が求めた「是正指示」は違法だとして県が起こした裁判で、県側の敗訴が最高裁で確定。玉城知事は同月27日、国の「承認勧告」に対し「期限内の承認は困難」と書面で通知した。これを受け、国はより強い要請である「承認指示」に切り替えた。
共同通信などによると、玉城知事は最高裁判決に背く「不承認」の明言は避ける形で、承認を行わなかった。県幹部からは「司法の最終判断に従うべき」という進言もあがったが、知事の支持団体や議員らから反発する声もあがり、事実上の不承認を決めたという。
国は国交大臣が県知事に代わって承認する「代執行」に向けて、5日にも福岡高裁那覇支部に提訴する。これに勝訴すれば県知事の同意が得られなくても、工事を強行できる。
長年の対立
住宅街に隣接し「世界一危険」といわれる普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、移設が危険性を除去するための唯一の解決策とする国と、それでは根本的な解決にならないと主張する県が、長年の対立関係にある。
玉城知事は先月18日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれた国連人権委員会に出席し、「沖縄の有権者の反対にも関わらず、日本政府は新基地建設を強行している」と訴えた。
一方、同じ会議の場で日本政府代表は答弁権を行使。「沖縄における米軍駐留は、地政学的理由と安全保障上の必要性に基づいており、差別的意図はない」と説明した。米軍基地をめぐる日本国内の対立を世界に知らしめる形となった。
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