安倍首相はモスクワに訪れないが、プーチン大統領と会談するチャンスはたくさんある

© AP Photo / Jacquelyn Martin安倍首相
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私たちは、5月9日にモスクワで開かれるヒトラードイツに対するソ連市民の勝利70周年を記念した式典で、安倍首相の姿を見ることはできなくなった。28日、日本は安倍首相が式典を欠席すると公式に発表し、続いて安倍首相はロシアのプーチン大統領にその理由を説明した親書を送った。欠席の理由は、「過密なスケジュールで日程調整ができなかった」。これが外交的な「メイクアップ」であることは明白だ。式典に日本を代表して参加するのは原田駐ロシア日本大使。なお、これら全ては予想されたものだった。

一方で日本政府に日露関係の「橋を燃やす」意向はなく、その反対に、日本政府はあらゆる方法で式典への招待を断った負の影響を最小限に抑えようとしている。菅官房長官は東京で開かれた記者会見で、安倍首相が出席できない理由を説明しながら、日本とロシアは「プーチン大統領の訪日に向けて努力することになっており、さまざまな状況の中で考えていきたい」と強調した。

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もし望むのであれば、プーチン大統領と安倍首相が会談する機会はたくさんある。戦後シベリアで亡くなった日本人兵士たちを追悼するために、安倍首相が「近い将来」ロシアを訪問する可能性があると言われている。またプーチン大統領と安倍首相が、今年11月にトルコのアンタルヤで開催予定のG20に合わせて短時間の会談を行う可能性もある。またフィリピンの首都マニラで11月に開かれるAPECサミットの場で会談する可能性も排除されていない。

さらに8月にカザフスタンで開かれる柔道の世界選手権でプーチン大統領と安倍首相が会談する潜在的な可能性もある。この噂は特に外交関係者の間で積極的に語られている。柔道世界選手権は多くの視点から見て非常に適した場所だと考えることができる。まずカザフスタンはモスクワと東京のほぼ中心にある。2つ目に、プーチン大統領が無関心ではいられない柔道の大会という雰囲気自体が、すでに長年にわたって実施されていないロシアと日本の「ネクタイなしの会談」を再開するための好適な環境をつくり出すと思われるからだ。3つ目に、ここは、「引き分け」を基盤に領土問題を解決する、すなわち「勝者も敗者もない」形で解決するというプーチン大統領の提案に適した場であるからだ。柔道家であるプーチン大統領にとって「引き分け」は馴染みのある言葉で、プーチン大統領と安倍首相は2013年に、まさにこの「引き分け」の原則を基盤に領土問題に取り組む必要があるとの考えで一致した。ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、次のようにコメントしている。

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「会談は大きな政治的・心理的効果を持つと思う。なぜなら安倍氏は2回目に首相に就任した時、自身の優先的な外交政策として、中国、韓国、そしてロシアとの領土問題を含む国益の保護を挙げた。安倍首相が今になって自分の最初の約束から遠ざかって譲歩することは恐らくないだろう。『面目がつぶれる』ことになるからだ。そのためもし会談が行われたとしても、恐らくこれは『交渉のための交渉』となるだろう。これは良いことだ。これは日本と中国、日本と韓国が行っているような、懸案問題の遠くからの罵り合いよりもはるかに良い。罵り合うよりも対話をする方が良い。最終的に、交渉から、全ての国が満足できる解決策が生まれるかもしれない。そのためには柔軟に対応し、自分たちの目標と希望を現実性を持って調整し、同じような問題の過去の解決法を研究し、何らかの妥協を可能とすることだ… いずれにせよ、この問題に共同でたゆまずに取り組むことだ」。

この非常に困難な問題の解決に向けた作業は、ロシアでも日本でも行われている。しかし共同ではなく、個別に行われていることが多い。もしかしたら、そこに進展の鍵があるのではないだろうか?

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