ロシア連邦南部軍管区の砲兵達は、8月17日から9月18日まで、1千以上の演習課題を遂行している。そのうち900の課題には軍人9千、軍事ユニット3千が参加し、戦闘を想定した射撃訓練が含まれる。
今や軍隊の戦いは、「接触する」戦闘行動から、偵察や電子戦といった「接触しない」ものへと移行しつつある。現在ハイテク兵器や強力な弾薬、発砲の自動化などにより、戦闘はそうした方向で発展し続けている。砲兵部隊も、非常に遠くから、広い前線沿いに、かなり奥まで打撃を与えている。
キャンプに集まる中で砲兵らは、様々なタイプのロケットランチャーの扱い方をマスターしている。その中でも最新鋭のものは多連装ロケットランチャー「トルナード(ロシア語で「竜巻」の意味)G」で、これまでの「グラッド(雹)」に比べ戦闘効率が3倍高いが、戦闘態勢に入るまでの時間は三分の二で済む。また一台で、およそ1ヘクタールを攻撃できる。
合同軍事演習「協同行動(ヴザイマヂェイストヴィエ)2015」には、およそ1千人のロシア軍人が参加するだろう。これは、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア、タジキスタン6カ国が参加する集団安全保障条約機構(CSTO)の集団緊急即応部隊による合同演習だ。演習には、これらの国々の軍の代表者も参加する予定だ。集団安全保障条約機構集団緊急即応部隊は、2009年に作られ、その数は2万2千人である。
こうした演習実施の必要性は、現実の状況が確認している。つい最近も「ロシアの侵略を阻止する」との捏造された口実のもと、米国は、ブルガリア駐留米軍に海兵隊員を派遣したし、「欧州安全保障イニシアチブ」の枠内で「ロシアを抑え込む」ため戦車と砲兵部隊を送っている。
とはいえロシアとCSTOのパートナー諸国には、幸い、自分達の国境を守るのに十分な力がある。