スプートニク「日本政府は利用目的の無いプルトニウムはもたないとしながらも、実際のところプルトニウムのストックは増え続けています。なぜ日本はここまで大量のプルトニウムを保有するに至ったのですか。」
しかし実際は47トンものプルトニウムを保有してしまっている状況があります。これは、ひとつには日本の核燃料サイクル、つまりはプルトニウムを取り出して再利用するという核燃料サイクルの政策が破綻しており、とくに消費の部分がうまくいっていないためです。それなのに取り出す方、再処理については継続していたためにどんどん余剰が増えていました。消費の部分がうまくいっていないというのはどういうことかというと、日本は高速増殖炉という新しいタイプの原発でプルトニウムを活用するのだと説明してきました。しかしまだ実用段階の原子炉が開発できていません。発電システムとして成立するかを確認する原型炉「もんじゅ」を作りましたが、95年に事故を起こして以来、ずっと止まっています。
スプートニク「日本のプルトニウム保有量は核兵器を製造することのできるレベルに達しているのではありませんか。日本は、その気になりさえすれば核兵器の開発ができるのでは、と懸念する向きがあります。」
保有しているプルトニウムと核兵器の関係では、日本国内にも2通りの意見があります。「日本の原発(軽水炉)で作られるプルトニウムでも核兵器を作ることができる」という考え方と、「軽水炉から取り出されたプルトニウムは核兵器製造に適さないので、プルトニウムを持っていても核兵器製造にはつながらない」という考え方です。今のところ前者の核兵器の製造は可能だという意見が優勢で、多くの人がそういう認識を持っています。まとめて言えば、日本は核兵器開発の能力は十分あり、プルトニウムも保有している。作ろうと思えば作れますが、政策的に作らない、というのが今の日本の政策です。」