5月中旬にロシアのソチで開催されるロシア-ASEANサミットは、両者の協力関係樹立20周年を祝うものであり、その成功に、今後の協力拡大への期待がかかる。今年はさらに、ASEAN諸国におけるロシア文化年、ロシアにおけるASEAN諸国文化年に指定されている。
「これは英断だと思う。ロシア出身のビジネスマンもASEAN出身のビジネスマンも時に、互いの文化、歴史、伝統に関する基本的知識が足りず、どうやってパートナー関係を樹立するか、仕事をともに行なっていくかわからない、ということが起こる。よく知っている場であれば、問題解決もずっと簡単になろうというものだ」。
ASEAN諸国の中でロシアで最もよく知られているのがベトナムである。それは対米戦争の際に我が国がベトナムに対して行なった支援のお陰であり、また、ベトナム国内で活躍しているロシアのエネルギー企業、石油・ガス企業その他のお陰である。しかし、小規模ではあれ、ベトナム以外の国にも、ロシア企業の進出は行なわれている。ロシア-ASEAN実務会議の常務取締役、ヴィクトル・タルシン氏は次のように述べた。
「先日インドネシアのカリマンタン島で『ロシア鉄道』のプロジェクトが始動した。285kmの鉄道、石炭の積荷用の海上ターミナル2港を建設するというものだ。
ソチ・サミットまでに観光ポータルサイト『ラシャ-ASEAN-トレヴェル』がオープンする。これは、ASEAN諸国のロシア人観光客およびロシアのASEAN出身観光客向けのインフォメーション窓口となるものだ。
これらは皆、個別の、非国営企業のプロジェクトであるが、大手国営企業の効果的参入もまた不可欠だ。『インテル・ラオ』や『インテル・ラオ・エクスポルト』が早期にインドネシアやマレーシアといった電力需要の高いASEAN諸国に注目してくれることを期待している。統一エネルギーシステムが構築される過程でASEAN諸国が通行ポイントを設置する際には、ロシアの経験が非常に参考になるだろう」。
「ASEAN諸国の多くにとって、ロシアと中国の協力、とりわけ軍事技術協力の拡大は、全く望ましくないものである。これは南シナ海における中国の立場にちなむものだ。しかしそのことがロシアと東南アジア諸国の接近にとっての障害になってはいけない。原理的な解法は、『バランスを見つけること』だ。ロシアは『あれも、これも』という政策を固守しなければならない。中国とASEAN、双方と関係を拡大していくのである」。