元ソ連大統領ミハイル・ゴルバチョフ氏 85歳に

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ミハイル・ゴルバチョフ氏 - Sputnik 日本
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3月2日、ソ連の最初にして最後の大統領ミハイル・ゴルバチョフ氏が、85歳の誕生日を迎えた。

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歴史の流れ、全世代の運命を変えたことを自慢できる人物は、世界にもあまりいない。また生きている間に自分について非常に激しい論争を呼び起こした人物も、そう多くはない。

ゴルバチョフ氏は、ソ連の任命職にあった人物で、ソ連共産党中央委員会最後の書記長であり、「新思考」イデオロギーの創始者となった。もちろんゴルバチョフ氏は間違いを犯した。しかし誕生日の今日はゴルバチョフ氏の過ちではなく、彼の功績を思い起こそう。

権力の頂点にいた1987年1月、ゴルバチョフ氏は「ペレストロイカ」政策を開始した。同政策の枠内では、その後の市場経済、自由選挙、共産党が全権を持つ政権の破壊、そしてソ連崩壊へとつながる重要な改革が行われた。

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運命はゴルバチョフ氏に勝利の瞬間を知らせた。ゴルバチョフ氏は、冷戦終結の源となり、ノーベル平和賞の受賞者となった。
ゴルバチョフ氏は、チェルノブイリ原発事故や、ソ連国家非常事態委員会によるクーデターの試みなど、試練にもあっている。そして最愛の妻を亡くすという、大きな悲しみも経験している。

3月1日、モスクワにある「ゴルバチョフ基金」では、出版社「全世界」が発行した書籍「ゴルバチョフの人生」のプレゼンテーションが開かれた。同書籍は、手紙、引用句、インタビュー、回顧録、またゴルバチョフ氏自身を含むロシア人や外国人の高名な政治家や社会活動家、作家、アーティストなどが書いた個別の記事などで構成されている。出版社によると、書籍の大部分はゴルバチョフ氏の個人的な生活ではなく、ゴルバチョフ氏の活動の多種多様な様相に関するものだという。書籍の共同執筆者の1人は、「誰かにとって人生とは政治だが、ゴルバチョフ氏にとっては政治が人生だ」と指摘している。

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ゴルバチョフ氏の専属通訳者で、現在は「ゴルバチョフ基金」国際交流課の責任者を務めるパーヴェル・パラジチェンコ氏は、次のように語っている-

「ゴルバチョフ氏の最もポジティブな特徴は、変化への心構えではないかと思います。もし大きな変化を行わず、うわべだけの措置で満足したならば、ゴルバチョフ氏は10年あるいは15年間ソ連共産党書記長の座に留まることができたはずです。しかしゴルバチョフ氏は、自分が犠牲者になってまでも、変化の風、古いシステムを壊す必要性を感じました。これはゴルバチョフ氏を非常によく特徴づけています。ゴルバチョフ氏は、国の発展の方向性を変え、グラスノスチ(情報公開)への道を開くことは、大勢の人を危険にさらすことを知っていました。しかし彼は、意識的にそこへ向かったのです。そしてその時、大勢の人が武力の行使に訴える方向へ向かわせようとしましたが、ゴルバチョフ氏は、いかなる状況においてもそれを許すことはありませんでした。ゴルバチョフ氏は自らを変え、国、そして世界を変えました。しかしゴルバチョフ氏には、人々の意識を変えるための時間が足りませんでした。人々はゆっくりと変化し、時にあらゆる変化に抵抗します。

私は、国の崩壊、慣れきったライフスタイルの基盤の破壊を、強い痛みをもって体験した人たちを理解できます。彼らは、この変化の重荷を体験したのです。しかし私は、ゴルバチョフ氏のソ連大統領としての評価は、時と共に変化してゆくと思っています。しかし、あらゆる偉大な人物と相反する人物についてと同じく、国の歴史におけるゴルバチョフ氏とその役割については、恐らく常に論争があることでしょう。なお国際問題におけるゴルバチョフ氏の役割ですが、これは常に高く評価され、非常に肯定的なものでした。偉大な政治家、そして道徳的な権威としての世界におけるゴルバチョフ氏の評判は、全ての時代において変わっていません。」

ゴルバチョフ氏は、書籍のプレゼンテーションで、自分の人生における重要な成果は自由とグラスノスチ(情報公開)であると考えており、自身が行ったペレストロイカ構想と選択を今も重んじていると述べた。

もしゴルバチョフ氏が1991年以降も国家元首であり続けたならば、「進化的な方法で、いかなるショックも招かずに」改革を実施したことだろう。

 

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