「スプートニク」:モスクワでは同様の場や日本企業の展示会、プレゼンテーションが定期的に設けられていますが、このことは日本企業がロシアに対して関心を抱いている証拠でしょうか?
チナリョーヴァ氏:「そうです。これは日本企業がロシア市場にむける関心を物語っています。これが15年前だったらロシア企業が日本企業とのコンタクトを取り付けるのは容易なことではありませんでした。でも今は日本企業のほうがロシア市場の動向に関心を持っています。日本のメーカーはロシアに新たな方向性を開設し、アニメや漫画のような一風変わった商品のメーカーも登場しました。以前は日本の商品といえば本当に希少で、すごく高価な店でしか買えませんでしたが、この頃は手ごろになり、種類も豊富になってきています。」
チナリョーヴァ氏:「 もちろん実際、制裁が発動された当初は両方の側に警戒感がありました。でもその後、両方とも状況を客観的な現実と捉えて、それに馴れていきましたね。問題というのは、日本の投資家が関心が低くなったことにあるのではなく、ロシア企業の側のマネーサプライが縮小したことなのです。それでもロシア側は日本との交渉にのぞみ、補足的なディスカウントを貰い受けようと必死です。おそらく今回の制裁は露日企業にとってはパートナー関係度を調べるいい機会になったのではないでしょうか。」
チナリョーヴァ氏:「 私ならここで問題を2つの部分にわけますね。ある面ではこれは人種の違いによるもので、日本人幹部の中にはメンタリティーや言語の違いからロシア人スタッフとの関係を築くのが難しい人がいます。もう一方では、ロジスティックスとロシアの立法という構造的な問題があります。それでも全体としては私は露日のビジネスは拡大していくと思っています。両国の間には共通点が多くありますし、互いを豊かにし合える分野が多くあるからです。ロシアに日本のサービス分野、ホスピタリティー分野が拡大していくと本当にいいなぁとおもいますね。ロシアで日本の商品だけじゃなくて、日本流のビジネスの組織の仕方が、これは生産についても、経営の事務作業についてもそうですけど、もっと多く知られるようになってほしいですね。」