先日、米大統領選挙共和党候補指名争いでトップに立っているトランプ候補が、事実上、日本と韓国に核兵器を装備するよう求める発言をしたが、日本政府は、これに対し、大変神経質な反応を示した。トランプ候補は「北朝鮮が攻撃してきた場合、我々は、両国が自分達の事を自分で心配する邪魔立てはしない」と述べ「米国の国家債務が19兆ドルもある中で、在日米軍5万4千、在韓米軍2万8500人を維持するには、余りに多くの経費がかかりすぎる」と指摘した。
ロシアの東洋学者でソウルにあるクンミン大学の教授を務めるアンドレイ・ラニコフ氏は、スプートニク日本のリュドミラ・サーキャン記者の取材に対し「日本と違って韓国では、空想ではあるが、このテーマは極めて人気がある」と指摘し、次のように続けた-
「世論調査によれば、韓国人の大部分が、核兵器保有を望んでいる。それが軍事用である事は、言うまでもない。しかしそれは実現不可能な夢だ。なぜなら、核兵器拡散のどのような試みも、かなり厳しく阻止されるからである。もちろん韓国に対する厳しさの程度は、現在の北朝鮮に対するものよりは、かなり小さいだろう。しかし、制裁が最低限で、どのようなものであったにしろ、本質的にひどく敏感な反応が起こるだろう。もし韓国政府が、恐らく今存在しているような何らかの超機密プログラムのレベルではなく、もう少し目につくようなレベルで行動を始めたら、すぐに国際的な制裁メカニズムに含まれるに違いない。
一方日本の状況は、これとは違う。政治家や軍人の間で、そうした話が何度も繰り返されるが、有権者達は、核兵器について耳にする事を望んでいない。北朝鮮からの脅威が、深刻なものと捉えられていてもである。実際、日本には巨大な量の放射性物質があり、原発も含め、潜在的な核兵器製造技術もある。まさにそれこそが、隣国から有り得る攻撃を抑止する重要な無言の警告と見なされている。