2014年4月に消費税が5パーセントから8パーセントに引き上げられた時、経済は一時的に低迷した。その結果、安倍首相は2015年に予定されていた消費税10パーセントへの引き上げを延期した。消費税増税は2017年に見送られたが、経済状況は改善されなかった。そして1日、 安倍首相は、消費税率の引き上げを2年半再延期することを表明した。なお先に日本政府は、他の税も見直す方針だと伝えた。それらの大部分は2019年までに増税される見込み。専門家たちによると、消費者の購買意欲は低いという。ロシアの金融アナリスト、アンナ・ボドロワ氏は、このような状況の中で企業は価格を引き上げずに値段を下げているため、再びデフレに陥るリスクが高まっていると指摘し、次のように語っている-
「家計収支のようなマクロ経済パラメータは、日本にとって非常に分かりやすい指標だ。なぜなら平均的な日本人がどれだけのお金を手放す用意があるのかを示しているからだ。過去数年間で、日本の家計収支はマイナス圏にあった。3月には1.5パーセント低下したが、最新の統計によると、今年4月には前年同月比で0.2パーセントの増加が見られた。支出の0.2パーセント増加は、日本のような先進国にとってはわずかな数字だ。あらゆる増税は自動的に価格の上昇へとつながり、人々は買い物を控える。なぜなら給与は増えないと考えているからだ。将来に対する不安は節約に向かわせる。これが日本円に影響を与えるマネーサプライを増加させる。そしてこの問題のもつれが経済に圧力をかけ、低迷させる。良かれと思ってなされているのだが… 技術的には、税が上がり、価格も上昇し、インフレが上向きになって日本銀行が勝利のダンスを踊るというようなものであるべきだ。日本は過去4年間で同システムに多額の資金を拠出したが、増税しなければこのシステムは稼動しない。」
日本では消費税が主な財源の一つとなっている。だが自民党の下村博文総裁特別補佐は、消費増税が税収の減少を意味するのであれば、「アベノミクス」の枠内における目標達成を脅かすだろうとの見方を表した。これは「アベノミクス」の失敗を意味しているのだろうか?ボドロワ氏は、次のように語っている-
「『アベノミクス』は機能している。今のところ結果は強い印象をもたらしていないが、結果は出ている。より難しい課題となるのは、結果を定着化することだ。主なマクロ経済パラメータは上昇しており、インフレも徐々ではあるが上向き始めている。なおインフレは、定期的にゼロあるいは少しマイナスへ下がっているが、日本で15年間続いたデフレとは違う。1年以内にデフレを克服するのは不可能な課題だ。しかし方法は他にもある。それはマイナス金利、促進プログラム、促進プログラムへの追加資金の投入などだ。だが、この前進運動が日本にとってはとても難しい。」
日本政府は今年初め、需要と投資の回復により、2016年度の経済成長率の見通しは実質で1.7パーセント程度とした。日本銀行は、およそ1.4パーセントとの見通しを表した。また日本政府は、物価が全年比で約1.2パーセント上昇すると考えた。日本銀行の期待は、インフレ率が日本の目標である2パーセントに達する可能性があることと関連していた。日本の会計年度は4月に始まる。そのため結論を出すのはまだ早い。