長崎市長「プーチン大統領訪問、実現すれば歓迎」

© Sputnik / Michael Klimentyevプーチン大統領と安倍首相
プーチン大統領と安倍首相 - Sputnik 日本
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8月9日、長崎原爆の日に発表された今年の長崎平和宣言は、ロシアでも注目を集めた。平和宣言が「日本政府は、核兵器廃絶を訴えながらも、一方では核抑止力に依存する立場をとっている」という矛盾を指摘したことは、ロシアの日本研究者らから勇敢で大胆であると評価されている。

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ロシアの立場から日本を見てみると、日本は唯一の被爆国として核兵器廃絶を訴えるリーダー的な国という地位を占めようとしている一方、米国の核の傘の下で守られることを拒否していない、矛盾を孕んだ国である。その上、核兵器の非保有国であるにもかかわらずプルトニウムを大量に有しているので、「いざとなれば核武装できてしまうのではないか」という懸念がある。しかし、長崎市の田上富久(たうえ・とみひさ)市長は、日本の反核の世論は非常に高いと述べている。

田上市長「長崎の街は71年前の経験をもとに、被爆者が体験した悲惨な思いを二度と、世界中の誰にもさせない、という思いと、長崎を最後の被爆地にしようという強い決意で、広島市とともに核兵器廃絶を訴えてきました。世界中にたくさんの平和市長会議の仲間もいます。日本国内には全部で1800ほどの自治体がありますが、そのうち約9割の自治体が非核宣言を行っていて、国内の反核の世論は非常に高いと思っています。これをより恒久なものにしていくために、長崎平和宣言を通し、これまでも非核三原則の法制化や北東アジア非核兵器地帯構想について求め、提案し続けてきました。」

北東アジア非核兵器地帯構想とは、日本・韓国・北朝鮮の3か国を非核兵器地帯にしようとする試みだ。この地帯が非核兵器地帯として完成するためには、3か国に核兵器が存在せず、近隣の核保有国(米国・ロシア・中国)が、これらの国々を核兵器で攻撃しないことが条件になる。北朝鮮は核実験を強行に繰り返しており、朝鮮半島の非核化は困難な状況だ。

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ロシア人と日本人の違いは、ロシア人だけが広島、長崎へ原爆投下した米国を未だに憎んでいること
ロシア科学アカデミー極東研究所・日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長はスプートニクのインタビューで、プーチン大統領が年内に訪日するにあたり、日露関係を討議するだけではなく、長崎あるいは広島を訪問して何らかの声明を出すことが、世界が核兵器を放棄する助けとなるだろうという見解を示している。これに対し田上市長は「もしプーチン大統領の長崎訪問が実現すれば、もちろん歓迎したい」と述べている。

田上市長「長崎平和宣言でも申し上げたように、被爆の実相を知るということは核兵器のない未来を考えるスタートラインだと思っています。特に核兵器保有国のリーダーの皆さんに被爆地を訪問して頂き、原子雲の下で人間に何が起きたのかを知ってもらいたいのです。核政策や核軍縮を議論するためには、被爆の実相を正しく理解して頂くことが重要で、そのためにも訪問は大きい役割を果たしてくれると考えています。特に長崎は歴史的にもロシアとの様々なつながりがありますから、プーチン大統領の長崎訪問が実現するならば、長崎市として歓迎申し上げたいと思います。」

長崎は幕末、レザノフやプチャーチンが来航しロシアとの窓口となった。かつて長崎にあったロシア領事館は、原爆投下で破壊されてしまった。

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