バイカル湖底で「未来の燃料」採掘の秘密を探る日本人達

© Sputnik / Vladimir Smirnovバイカル湖
バイカル湖 - Sputnik 日本
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シベリアのバイカル湖で、湖底で形成されるガスハイドレートを調査する作業が、このほど終了した。天然メタンガスの源であるガスハイドレートが、初めてバイカル湖で見つかったのは1997年のことで、それ以来、ここではその探査がやむことなく続けられている。

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今回の探査作業は、湖の東部水域で行われた。作業は、イルクーツク湖沼研究所と、北見工業大学の職員が共同で行っている。この協力は、すでに10年を超す長い歴史を持つ。日本の学者達と共に、すでに44もの産地が発見された。

学者達が研究しているガスハイドレートは、一定の温度と圧力の下で水とメタンの相互作用から形成される結晶性化合物で「未来の燃料」と呼ばれている。なぜならガスハイドレートは、海や大洋に無尽蔵に近く存在するからだ。ロシア・エネルギー省のデータによれば、それらの埋蔵量は、地球上にある他のあらゆるガスのストックを超えるものだという。黒海だけで、ガスハイドレートの確認埋蔵量は、30兆立方メートルに達している。2012年に、日本の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、渥美半島から50キロの海中でボーリングを開始した。一連の専門家の試算では、ハイドレートの形でこの場所にあるガスの量は、1,1兆立方メートルに達する可能性がある。それが採掘できれば、100年間のエネルギー需要を満たすことができるだろうという事だ。ただハイドレート燃料の採掘には将来性はあるものの、技術的にあまりに難しく、また高くつくことから、産業用ハイドレートの採掘に取り組んでいる国は一つもない。

イルクーツク湖沼研究所バイカル湖地質学実験室の オレグ・フルィストフ室長は、スプートニクの取材に対し、次のように答えた-

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「バイカル湖における調査は、日本人が、日本の海洋条件下でガスハイドレートからガスを採掘する技術を仕上げるために必要なものです。インドからも同様の目的をもって、学者達が我々の元に来ています。」

もちろん、バイカル湖でガスハイドレートを得ようとは、誰も考えては。いない。しかし、ガスハイドレートに対する関心は、世界中でかなり高まっている。これは、単にこれが未来の潜在的燃料源であるからばかりではない。ハイドレートの助けを借りて、水を淡水化できるからだ。また特に学者達は、地球が温暖化した場合、膨大な量のメタンがどうなるかに関心を持っている。なお世界の海洋の底でのハイドレート層の崩壊が、温室効果ガスの原因かもしれないとの説もある。

バイカル湖でのロシアと日本の専門家による合同調査は、今後も続けられるだろう。なぜなら、少なくとも湖のいくつかの場所には、ガスハイドレートが発見され、そこには一つではなく、メタンとエタンという2つのガスが同時に存在することが分かっているからだ。世界中で、バイカル以外にそうした場所はまだ見つかっていない。

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