学者達が研究しているガスハイドレートは、一定の温度と圧力の下で水とメタンの相互作用から形成される結晶性化合物で「未来の燃料」と呼ばれている。なぜならガスハイドレートは、海や大洋に無尽蔵に近く存在するからだ。ロシア・エネルギー省のデータによれば、それらの埋蔵量は、地球上にある他のあらゆるガスのストックを超えるものだという。黒海だけで、ガスハイドレートの確認埋蔵量は、30兆立方メートルに達している。2012年に、日本の独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は、渥美半島から50キロの海中でボーリングを開始した。一連の専門家の試算では、ハイドレートの形でこの場所にあるガスの量は、1,1兆立方メートルに達する可能性がある。それが採掘できれば、100年間のエネルギー需要を満たすことができるだろうという事だ。ただハイドレート燃料の採掘には将来性はあるものの、技術的にあまりに難しく、また高くつくことから、産業用ハイドレートの採掘に取り組んでいる国は一つもない。
イルクーツク湖沼研究所バイカル湖地質学実験室の オレグ・フルィストフ室長は、スプートニクの取材に対し、次のように答えた-
もちろん、バイカル湖でガスハイドレートを得ようとは、誰も考えては。いない。しかし、ガスハイドレートに対する関心は、世界中でかなり高まっている。これは、単にこれが未来の潜在的燃料源であるからばかりではない。ハイドレートの助けを借りて、水を淡水化できるからだ。また特に学者達は、地球が温暖化した場合、膨大な量のメタンがどうなるかに関心を持っている。なお世界の海洋の底でのハイドレート層の崩壊が、温室効果ガスの原因かもしれないとの説もある。
バイカル湖でのロシアと日本の専門家による合同調査は、今後も続けられるだろう。なぜなら、少なくとも湖のいくつかの場所には、ガスハイドレートが発見され、そこには一つではなく、メタンとエタンという2つのガスが同時に存在することが分かっているからだ。世界中で、バイカル以外にそうした場所はまだ見つかっていない。
先に伝えられたところによると国際的な研究チームがグラフェンと超伝導素材の高品質コンタクトの製造が可能であることを実験で証明し、量子コンピューター創設に一歩近づいた。