理論上、これは北朝鮮侵攻と金正恩氏排除の計画である。「金氏は自身の命に直接的な危険をひしひしと感じるべきだ」と韓国のパク大統領。大統領は、自己の生存本能により、金氏は政策を見直し、核・ミサイル開発を停止すると期待している。
極東研究所朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ氏は語る。
「これは心理的圧迫だ。リアルに考えるなら、金正恩氏の死によって今ある問題は終わらず、むしろはるかに大きな問題が始まる。北朝鮮の核施設が爆撃されると2時間後には放射線がウラジオストクに到着する、という側面がある。北朝鮮にいかなる破局が、内戦が、人道危機が起こることも、ロシアにとっても中国にとっても望ましくないのだ。ロシアと中国の調整された立場に韓国と米国の抑制的な姿勢が加わればそうしたシナリオは回避されると思いたい。また、北朝鮮と、米国および韓国を代表とする敵方のパワーバランスを考えると、南を攻撃することは北にとって自殺行為である。核を使うなら二重の自殺行為だ。金正恩氏に自殺願望がある性格異常者という診断を下すには及ばない」
空爆は北朝鮮内の特殊部隊の突破をも予定している。上陸部隊基地としては日本海の鬱陵島が予定されている。海兵隊員らの配置は「攻撃的性格のもの」とされている。来年はそこで必要インフラの構築が始まり、演習も行われる。2018年には韓国軍司令部が島に海兵隊攻撃部隊を常駐配備する予定。部隊は緊急時に北朝鮮東海岸に上陸し、領土の奥深くへ侵攻していくものだ。
もちろん、繰り返すが、こうした武力の使用は北朝鮮が核ミサイルを軍事使用する用意をしているという情報が入ってはじめて行われる。しかし、北朝鮮が軍事目的で発射するのか、それとも演習なのか、どちらを考えているかをどうやって客観的に評価できるというのだろう?