西側メディアを信じれば、ロシアはいわくトランプ氏の米大統領選出の黒幕であり、英国の国内問題に介入し、バルカン半島、沿バルト海とウクライナで「混沌の種を撒」き、ベラルーシとフィンランド侵略を準備している他、プーチン大統領は欧州や全世界で「民主主義的秩序を転覆する」構想を練っている。
このような非難の旋風はロシアとの関係をいかに構築するかについて、米国市民の心を乱す。米国ではロシアを「全世界的脅威」や「死に行く超大国」と受け止める癖がついているが、そのアプローチの1つとして、現代のロシアが実際にはいかなるものかを適切に評価することを許さない。シュレード氏はそのような見解を示している。
ロシアを全世界的脅威と考える人々はロシアとの関係悪化を「新冷戦」と定義し、軍事的対立にまで至るハードアプローチを呼びかける。このような視点は「そのあらゆるヒステリックさにかかわらず」人気を博しているとシュレード氏は強調する。ロシアを「死に行く超大国」として見る人々は、ロシアの可能性を狭めている経済・人口動態的問題を指摘する。彼らはロシアに対する正しい対外政策を静観だと考えている。しかしシュレード氏は、ロシアにも国内問題はあるものの、その否定的な異議はそれほど深刻ではないと述べる。
このように、合理的な政治を行うためには、米国はヒステリーを抑えて、物事に対するより素面の視点を作り上げるべきだとシュレード氏は結論づけている。