「クラウドファンディング」という言葉は、おそらく多くの皆さんにとって聞きなれない言葉だろう。これは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うこと(ウィキペディアからの引用)を意味する。たけべさんは「好きになってもいいですか?」ー178cmの独身♀(26)が、本気のお見合い!」と題し、クラウドファンディング・サービスを通じてネット上に、お見合い相手の募集を発表した。まさに身長が高すぎることが、彼女の人生にとって大きな障害となってきたからだ。モデル・ビジネスにおいて、高身長は成功する条件の一つだが、実生活では全く話は別だ。なぜなら多くの男性は、自分より背の高い女性にコンプレックスを抱いてしまう。
ともこさんは、その事を身をもって知っている。街を歩いていると、自分に対する通り過ぎる人達の奇異の目、時には嘲笑にさえぶつかることもよくあった。彼女はこの問題に平静ではいられず、解決の糸口はないかと考え続けた。物事、ちょっとクリエィティブに前向きに考えれば、期待を上回る成果が生まれるものである。
ともこさんは、女友達のアドバイスに従い、お見合い相手探しに「クラウドファンディング」サービスを利用する事にし、潜在的な求婚者とのお見合いを組織するために25万円を集める決心をした。お金を寄付したネットユーザー達には、オンラインでともこさんのお見合いの行方を見守る権利が与えられる他、質問もできる。このキャンペーンは、ネットで非常に大きな反響を呼び、その結果、計画した額の2倍のお金が集まった。それは、お見合いプロジェクトに関連して必要な、衣装代、交通費、場所代などすべての出費を補って余りあるものだった。しかし肝心なのは、なんといっても「クラウドファンディング」の成功ではなく、ともこさんが愛をつかめるかどうかである。スプートニク記者のインタビューに応じた中で、ともこさんは、御自分のアイデアについて、それをどう実現したかについて、次のように話して下さった。
たけべさん:最初は「結婚できないのは背が高すぎるからだ!身長178cm(♀)が特注ドレスを作るプロジェクト」を実施しようと思っていました。 しかし、友人に話したら「ドレスを作ったとしても、そもそも結婚したい相手はいるの?」と言われ、高身長コンプレックスで恋愛に前向きになれず、恋人がいなかったことを思い出しました。そこで、「お見合い相手を募集してみては?」と友人がアドバイスをくれて、プロジェクトを実施することとなりました。
スプートニク:ともこさんのこの企画とそれから巻き起こった大騒ぎにお友達、ご家族はどういうリアクションでしたか? また未来の伴侶はどうおっしゃっておられますか?またプロジェクトに必要な額以上の資金が集まりましたね。使い途に困ることはありませんか?
たけべさん:今回のプロジェクトを始める前に親に話したところ、「自分の娘が危険なことをしようとしているのだから、応援できるわけないじゃない」と泣いていました。私も大泣きして「それでも私はやりたい。素敵な人と出会える気がするの」と反論し、プロジェクトを実施しました。 友人は、もともと私が日本中を一人旅するなどアクティブなことを知っていたので、驚いている人は少なかったです。プロジェクトの記事をSNSでシェアするなど、友人はみんな応援してくれました。 恋人は、「行動力がすごいから、一度会ってみたいと思ってお見合いに申し込みました」と言っていました。 予定より多くお金が集まったため、その分手伝ってくれた友人に謝礼を多く渡すことができました。
スプートニク:プロジェクト終了後、ご結婚またはご婚約の時期はいつごろのご予定ですか? 式は挙げられるおつもりでしょうか?
スプートニク:ジャパンタイムズ紙からのインタビューでご自身のような身長の高い女性は生涯の伴侶を見つけるのは簡単ではないと答えておられましたし、キャンペーンのタイトルにまさにこの「高身長」を入れておられますね。ということはやはりご自身もこの点で悩まれたということでしょうか? 今現在ですが、高身長をめぐる状況はどうでしょう?
たけべさん:好きな人ができても「僕は自分より背の高い人ダメなんだ」とフラれたり、「巨人だ」「富士山みたいだ」と笑われていたので、子供の頃からずっと悩んでいました。 今の恋人は私の身長を笑わないでくれるので、一緒にいるととても居心地がいいし、楽しいです。
スプートニク:キャンペーンで伴侶探しというアイデアはご自身の人生にどう影響しましたか? キャリアアップにつながりましたか?
たけべさん:クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」でお見合い相手を募集したところ、社長から「面白いね。うちで働きませんか?」と連絡をいただき、CAMPFIREに入社しました。今はCAMPFIREのPRの仕事をしています。 初対面の方に「あなたのこと知ってます。お見合いの人ですよね?」と言っていただくことも多いです。 プロジェクトを実行したら、恋人と仕事の両方が見つかったので、幸せです。
自身の伴侶を見つけるのに、こうした方法を使うのは、かなり勇気が必要だった事と思う。なぜなら自身のプライバシーを、多くの人目にさらすことになるからだ。しかし、ともこさんの経験は、こうしたチャレンジをする価値がある事を示しています! この記事をお読みの皆さんも、こんなふうに幸せ探しを楽しんでみたらいかがでしょう?