下斗米氏「去年12月の山口会談での日本の新たなアプローチが共同経済活動です。これは最終的な平和条約に至る前にあの島で共同で活動する経験を積むこと、そして旧島民の方だけでなく北海道などそこの関連の利益が可能なところからはじめて、共同で何かをするといことです。こうした経験がなければとてもあの、大変づくし問題は解決できないと思います。そういう意味で私はこれを大変前向きに見ています。もちろん今のところ日本とロシアがお互いの提案をぶつけているだけで、これがどう発展するかは見なければいけませんが、少なくとも始めるということはおそらく大事なんだと思いますね。もっと前からアイデアはあったんですが、なかなかお互いの政治的決断がなくて…。
それでも日本でも『パシフィック・ロシア』という言い方をする人がいますが、日露間には非常に大きなポテンシャルがあって、極東といわれる地域を新しい目で見るとそこでプーチン大統領の東方シフトがどう動くか、また具体的に日本の協力の可能性をどうこの小さな島で試行的にやると。こちらではインフラやエネルギー、都市建設とかもっと大きなことがこれから始まると思いますけれど、そのためにもお互いの棘をとり、互いに受け入れ可能なことを具体的に始めたというのは大きいことだと思いますね。もちろんこれから両国の枠組み、また国際法的な枠組みをどうやって作るかというのは開始しなければわからないところがあります。ですが小さな成功から具体的にアプローチするいうことが最終的な国境線画定なり、平和条約だということを両方の指導者たちは合意しているわけですから、その方向に結び付ける一歩になっているんだと思いますね。その具体的成果はこれからおいおいわかってくるでしょうが。」
下斗米氏「もともと両国間の交渉で90年代からすでにアイデアは出てきていたわけで、米国は全く関係ありませんし、領土問題というのは70何年か前に日本とロシアが解決すべきことだったわけです。むしろオバマ政権の時にはこの問題に米国政府はやや否定的に動いていたと思いますが、トランプ政権はおそらくこれに関心を寄せていないと思います。あるいは側面的に安倍首相のやっていることにプッシュしていると一般的には考えられると思いますが、今トランプ政権はほかの問題で手いっぱいで外交的にも動きは非常に混乱していますから、別に米国がどうこうという話ではないと思いますね。」
下斗米氏「これは両国とも戦略的利益のある話ですからそのように動いているんだと思います。ロシアも3年くらい前からエネルギー価格が下がっていますし、海外投資は特に難しい環境の極東はプーチン大統領も欲しいところです。極東をよく知っている人たち、つまり北海道とかエネルギー分野ではこれから大きな動きがありうるでしょうから、そういう意味ではポジティブ何だろうと思いますね。今日の話では米露関係は全体的に最悪の状況から動かそうとしていると聞きました。日本が平和条約を結ぶとしているのは旧連合国との関係の最終段階ですから、米露関係の改善は非常にいいことだと思います。その出発点が近々行われる首脳会談で、その中で核問題などで動きが取れることに期待しています。」
ロシアは2018年に大統領選挙があり、大多数の人がおそらくプーチンが勝ち取るのではないかと思っています。
下斗米氏「私もこの6月に参議院で専門家の意見を求められたときそう答えました。」
日本も2018年に安倍首相が選挙ですね。二人とも勝利するとロシアは6年間、日本は2021年まで安倍氏が首脳です。これから考えると2018年までに平和条約は結ばれないでしょうか?
ロシアは日米関係があまりに強すぎると考えていますが。
下斗米氏「トランプ政権でアイソレーショニズムが出てきているため、日本も独自にユーラシアとの協力ができます。中国、インドなど一番近い国と今までほとんど何もなかったことのほうが異常だったわけです。」
ロシアでは日本に北方領土を渡すと間もなく米軍基地が現れると言われています。
下斗米氏「その可能性はないと思いますね。米軍基地は三沢にありますし、何もあの島に基地を設ける必要はないですし、非軍事化を行うのが一番いいでしょうがそれを可能にするのが平和条約ですね。」