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注目が集まっているのは、北朝鮮のミサイル発射が7月6日にハンブルクで始まるG20の直前に行われたことである。トランプ米大統領は韓国や日本はもうこのような挑発に長く我慢することはないだろう、そして中国は「この馬鹿げたことをきっぱりと終わらせるために」しかるべき対処をするだろうという見解を示した。日本では北朝鮮のミサイル発射を受けて、今日だけで2回も国家安全保障会議の協議が行われた。
なお、7月3日と4日にかけて、モスクワでプーチン大統領と中国の習近平国家主席の会談がモスクワで行われた。中露首脳会談のテーマの一つは北朝鮮問題だった。
リア・ノーヴォスチのインタビューでロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官は、朝鮮半島における争いについてロシアは独自の「道路マップ」を編み出したと話した。「我々は事前条件なしで、段階的に、疑いの余地のないところから始め、動き出すことを提案する。それは相互の自己抑制の発露、互いを挑発し合わないこと、不可侵や武力を持って脅威となすことを拒否するなど、相互関係の原則についての協議といったことだ」
韓国と日本でロシア大使を務めた、モスクワ国際関係大学のアレクサンドル・パノフ教授は、米国の政治的意思があれば、北朝鮮問題を解決することは可能だという見解を示している。
「最も重要なことは、北朝鮮は米国から全部で3種の姿勢を引き出したいと思っていることだ。それは外交関係を認めること、米国が北朝鮮に対し攻撃を仕掛けず、北朝鮮の内部体制を脅かさないこと、そして経済協力を始めることだ。もしこれら全てが担保されれば、北朝鮮は友好の手を伸ばすことができるだろう。しかし北朝鮮側が自分たちから友好の手を伸ばすことはもちろんないだろう。なぜなら彼らには、核、そしてミサイルといったカード以外に何もストックがないのだから。北朝鮮は何も手に入れなくても、よりもっと危険な戦略に熱中しながら、自分たちのカードを強めている」
ロシア、北朝鮮、そして韓国が共同三者プロジェクトで結びついていたのはそんなに昔の話ではない。例えば、ロシアの石炭がハサンから北朝鮮のラジンへ鉄道で送られ、そこから海路で韓国に届けられていた「ハサンーラジン」プロジェクトがあった。残念なことに北朝鮮と韓国の関係が悪化したことで、このプロジェクトは立ち消えになった。
北朝鮮を訪れていた米国人の学生の死も、より複雑になっていく状況に火に油を注いだ。政治家たちは問題の解決を見出し、取り返しのつかない過ちを回避することができるだろうか?