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「電気革命」は各国政府が自ら主導し進めているものだ。ノルウェーでは2025年までに内燃機関を搭載した自動車の販売を禁止する方針で、同様の政策をドイツとインドでは2030年までに、フランスと英国は2040年までに導入することをそれぞれ予定している。現在の世界自動車市場の3分の1を占め、大気汚染を懸念する中国政府もEVへの転換を積極的に支持している。中国のEV販売台数は既に米国を抜き、登録車両は80万台を超える。
沿海地方では2018年春、EV工場「プロメテウス」の建設が始まる。これはロシア企業「スモトリ」と日本の荒井商事による共同事業だ。「プロメテウス」工場ではEVをゼロから生産するのではなく、日本製の中古軽自動車に電動機を搭載してEVに改造する事業を行う。エンジン車をEVに変える大量改造技術は確立しているため、事業費用は高くつかないという。沿海地方では110万台の車両が登録されており、このうちの約9割が日本から輸入された中古車だ。「プロメテウス」の敷地も折良く中古車処理工場に隣接している。
ロシア環境投資センターのミハイル・ユルキン所長は、EVに人類の未来がかかっていると主張する。「EV用充電スタンドのエネルギーを太陽光から直接得るというアイデアには、感銘を受けるばかりだ。米テスラ社がこの方向を目指しており、実現すれば、EVは環境的にとって完全にクリーンな輸送手段となる。たとえ実現しなくても、EVが自然に及ぼす害はガソリン車に比べるとかなり低減され、それはすなわち人間にとっても害が少なくなるということだ。EVはより便利で経済的、そして環境にも優しく、これに乗るのはスタイリッシュで格好良いこと。一方、ガソリン車を選ぶのは馬鹿者だけだ」とユルキン所長は持論を展開する。
統計サイト大手のStatistaによると、2018年のEV生産台数は日本で約95万台、ドイツ37万台、米国26万8千台、フランス7万4千台が予定されている。EVのベストセラー車種は現在のところテスラ社のモデルSが首位、これに日産リーフ、中国BYDオート(比亜迪汽車)のTang(唐)が続く。