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同氏は、米露が関係を構築すべき理由として最も重要なのは、両核大国が世界に対して追う責任であると主張。だが現在の米国体制は、二国間関係の正常化の助けにはならないと指摘する。
報復措置の直近例としては、米露両国の外国メディアを「外国エージェント(秘密情報機関員)」として登録させる決定が行われたことが挙げられるだろう。このような問題は現実への理解やコミュニケーション、相手に対する知識の不足から生じており、その現状をバロウズ氏は次のように表現する。
バロウズ氏は米大統領選における「ロシアの痕跡」にも言及。この問題は多くの点において、選挙に敗れ立ち直れなかった民主党指導者らが意識的に誇張したものだと述べた。
バロウズ氏の発言内容に関する「スプートニク」の取材に応え、ロシアの世界経済国際関係研究所付属北米研究センターのアレクサンドラ・ボリソワ学術職員が見解を述べた。ボリソワ氏は、露米両国がその関係において危険な一線に近づいており、その行き詰まり状態からの出口を探す必要性を理解している点については同意する。だが同氏の考えによると、「分岐点」となったのはウクライナ危機ではなく、もっと過去のことだという。
先に行われたバルダイ会議で、ロシア経済高等院の世界経済・政治学部長のセルゲイ・カラガノフ氏は、次のように警告した。
「人々は世界的な戦争のない生活に慣れ、今後もその生活が続くと考えている。実際は必ずしもそうだとは言い切れない。昔と同じように、平和のために闘うべきだ。新たな平和的秩序への道は険しくなるが、その道は開かれなくてはならない。ロシアがすべきことで重要なのは、戦争を回避する方法、そして将来のことを考え、これを共同で築いていくことだと思う。今、ロシアと米国は何かを始めようとしている。だが、その話し合いの効果が得られるのは、中国を始めとする他の大国がこれに与する場合のみだろう」