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1972年にサーファーのドミトリー・ミロヴィチが楽しそうという理由でコーヒートレイに乗り山から降りた。これが新スポーツの誕生となった。
1998年にはスノーボードが一連の五輪種目に入り、今も新たな競技が現れ続けている。
わずか20、25年前には誰もカーリングを真剣に受け止めず、熱心にリングをブラシで擦る選手は公然と笑われ、「掃除屋」と呼ばれていた。カーリングは1998年の長野五輪でデビュー。
現在、テレビでのカーリングの試合中継は全世界で高い視聴率を誇る。
また、いつかは五輪のリストに追加されるかもしれない一風変わった戦いもある。
スキーボブはエクストリーム・スポーツの一種。車輪の代わりにスキー板をつけた自転車で雪山の上から滑降する。100年前に生まれた競技だが、人気が出始めたのは最近のことだ。
スキーボブは世界・欧州選手権が行われており、全世界からプロ選手が訪れる。最大のスキーボブ選手輩出国はカナダ、オーストリア、スイスである。見栄えの良さから、スキーボブには展望の明るい将来が予測される。
アイスカーティングとは、雪上・氷上レースのこと。最近まではスカンディナヴィア諸国の住民や観光客の娯楽に過ぎなかったが、今日では大きな人気を得ている。
アイスカーティングはサマースポーツの最良の部分を取り入れながら、より見応えのあるものになっている。スピードとモーターのうなりを急カーブや車輪下に舞う雪粉が補完する。プロのアイスカーティング選手は時速250キロまで加速可能だ。
犬ぞりスポーツは最も古いスポーツの1つで、3種目からなる。
乗り物がスキー板なら「スキージョーリング」、自転車なら「ギグレース」と呼ばれるが、最も人気があるのは「スキープリング」(Skypulling)で、犬がそりを引き、スキー選手がそりにつけられたロープに掴まりながら滑るというもの。1日で終わるレースの他に、2000キロを走破するマラソンも行われている。
1985年には雪やダートコースで世界・欧州選手権を催す国際犬ぞりスポーツ連盟(IFSS)が創設された。1993年には犬ぞりスポーツを冬季五輪の競技に追加するよう国際オリンピック委員会(IOC)に申請が出されたが、受理されなかった。馬による「スキージョリング」も存在し、2種類ある。スキー選手がジョッキーの乗る馬の後をついていくものと、スキー選手自らが手綱で馬をコントロールしながら滑るものだ。馬のスキージョリングは犬より危険で見ごたえがあるが、五輪種目認定の話はまだない。
水中ホッケーは誰もが耳にしたわけではなく、自らの目で観た人も少ない。これは英国のダイバーで水中スポーツのトレーナー、アラン・ブレイク氏のおかげで20世紀中旬に世に現れた。
ブレイク氏は冬季のトレーニングを可能にする水中トレーニング体系を考案した。水中ホッケーの第1回世界選手権は1980年にカナダで行われ、1984年には女子選手権が行われた。そして現在、水中ホッケーの人気は高まりつつある。氷下ホッケーも存在しており、2012年にはオーストリアで最初の世界選手権が行われた。だがこれはやはりまだ風変わりなスポーツに留まっている。
一風変わったスポーツが有名になり、五輪種目になる過程をロシア身体文化・スポーツ・ツーリズム大学の心理学部長アルベルト・ロディオノフ氏が語った。
また、古典的なスポーツで成功を収めるには非常に多く鍛錬し、一連の訓練システムを受け、1日に数回トレーニングを行う必要がある上、チャンピオンになれるかはわかりません。非伝統的なスポーツでは膨大な訓練なしに成功を収めることが可能です。携帯を誰よりも遠く飛ばせば、すでにチャンピオン。ヒールで誰よりも速く走れば、もう話題の人という訳です。」