イベントを発案し、組織しているのは関西ソビエト文化サロン実行委員会。同委員会のプレスリリースにはこうある。
西ソビエト文化サロン実行委員会の古池麻衣子さんはスプートニクからの取材に対し、今までとは違うイベントをやりたいという委員らの動機はどこから来たのかについて、話してくださった。
スプートニク: こうしたイベントは初めてでしょうか。その主な目的と何人の会員さんがいらっしゃるのかおしえてください。
古池麻衣子さん:このイベント「Clubソビエト」はおそらく日本で初めて総領事館をクラブにして楽しむイベントです。日本では、普通は領事館ではクラシックコンサートを開催していますが、今回はまったく新しいイベントだったので、普段領事館に来ないような参加者が集まりました。チケット販売開始後、1時間以内に120人分のチケットが売り切れました。
目的としては、日本では怖くて暗いロシア(ソビエト)のイメージを、もっと身近に感じてもらうことです。実際に訪れたロシアは怖い国ではなく愛すべき国だったからです。
スプートニク:日本ではロシア・ソビエト文化が好きという人は多いでしょうか。若い人もいますか。音楽、映画、文学など、特にお気に入る芸術は何でしょう?
古池麻衣子さん:私の周りでは、ロシア・ソビエト文化を知らない人が多いです。年齢が高い人は文学やクラシック音楽に興味を持っている人がいます。若い人はロシア・ソビエトに興味がない人が多いですが、私がロシアで買ってきたプラトークやマトリョーシカ等を見ると、みんな好きになっています。また、ロシアに行ったらロシアが好きになって帰ってくる人もいます。
スプートニク: 文化は日本とロシアを結ぶ上で一番しっかりした架け橋だと思いますが、両国の文化交流の度合いについて、委員会の皆さんの評価はどうでしょう?十分ですか、不十分ですか?
古池麻衣子さん:日本におけるロシア年という文化交流の年が終わったばかりですが、私は文化交流が不十分という印象です。言葉がわからなくても楽しめるバレエ、質の高いクラシック音楽、文学や歴史等、さまざまなロシアの文化が日本に紹介されています。しかし、残念ながら、どれも「敷居が高い」ようです。高尚過ぎて理解ができない人が多いのだと思います。
そのため、今回のように「クラブ化した領事館」というイベントが注目されたのだと思います。私たちは、サブカルチャーと言っていいのかわかりませんが、クラブ風のイベントを開催することで、私達が大好きなロシア・ソビエトを一般の方にもっと身近に感じて楽しんでもらいたいと考えております。これからもそのようなイベントを企画していく予定です。
今回の「Clubソビエト」に参加するのはテルミン奏者の児嶋 佐織さん、パーカッションの田中良太さん、映像作家の吉村寛興さん、そして日本在住の若手の学者のアントン・ミルチャさん他。
関西ソビエト文化サロン実行委員会はイベント成功の暁には「Clubソビエト」の新たな出会いを設けていく。そしてロシアに対する「おそロシア」というステレオタイプを「おもロシア」へ変えていきたい。これが委員会の願いだ。
「我々はこのイベントが、ソ連そしてロシアの音楽の伝統、 多様な文化を日本の友人たちに語り、 リラックスした雰囲気で交流する場として『従来とは違う』、 むしろ多少『興味をかき立てるような』 フォーマットで行うチャンスになれば、 というつもりで用意しました。 しかもクラブを訪れてくださるお客様の圧倒的大多数が20歳から 40歳と極めて若く、 領事館にお越しになるのも初めてという方ばかりです。 こうした方々のために領事館のコックは腕を振るい、 サプライズを用意しています。 それはソ連時代の要素の香るロシアの伝統料理です。」