映画監督は元ジャーナリスト、現在はオスタンキノ・テレビ技術センターのドキュメンタリー映画部長マリーナ・キレーエワさん、脚本は大物の知日派外交官の一人として知られ、モスクワ国際関係大学で教鞭を執るアレクサンドル・パノフ教授が担当した。パノフ教授は長年にわたり駐日ロシア大使を務め、日本の歴史や日露関係に関しての執筆も多い。パノフ教授はスプートニクからのインタビューに、日露関係史には今までほとんど語られず、本に表されなかった出来事や事実が少なくないとして、次のように語っている。
「日本との関係には、探偵小説のように、ハラハラする場面もあれば、恋愛ドラマのように心温まるものもあります。この映画は、2つの民族の友好を願い、相手の文化に自分の国の人が親しみ、理解することを切望した人々に大きな焦点を当てています。この映画を作るとき、何がこうした人々を突き動かしたのか、何に向かって進み、どんな間違いを犯してしまったのかを理解しようと努めました。私たち制作陣は歴史を深く掘り下げ、まずロシア人と日本人の一番最初の出会いから取りかかりました。最初の人物はアダム・ラクスマンです。ラスクマンは、鎖国時代の日本にロシア帝国の臣民として訪問した人物の一人です。嵐に遭い、カムチャッカの海岸に投げ出された『神昌丸』の船員らが祖国日本へ帰れたのは、ラスクマンの尽力をおかげでした。
撮影は主に日本で行い、6ヶ月強かかりましたが、私はこの映画の出来にとても満足しています。日本大使館での上映では皆さんから、この映画はとても内容が深く、自分たちでさえ知らなかった多くの事実を初めて知ったとお言葉をいただきました。この映画はロシア語で作りましたが、日本語に翻訳して上映する価値があるかもしれません。」
以前、スプートニクは、国際ショディエフ財団の支援で経営破綻の久保田一竹美術館が閉館の危機を克服したと報じた。染色工芸家、久保田一竹氏の稀有な作品は散逸を間逃れた。今回の映画『信頼への道・日本におけるロシア人』は後日、同財団の開設した特設サイトで全編が公開される。