2020年のトレンド:東京五輪とグレタ・トゥーンベリさんに共通するものとは?

© Sputnik / Evgeny Biyatovボランティア
ボランティア - Sputnik 日本
サイン
年末になるとさまざまな国で「今年の言葉(Word Of The Year)」が発表される。「今年の言葉」に選ばれるのは、メディアで最も使われた言葉、または、その国でその年に起こった重要な出来事を反映した言葉だ。

今年の言葉

日本では2019年、その年に話題になった言葉に贈られる年末恒例の「新語・流行語大賞」に、今年秋に日本で開催されたラグビーW杯で日本代表チームのジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの掲げたスローガン「ONE TEAM」が選ばれた。米英語辞典のメリアム・ウェブスターは、今年の単語としてその検索回数が1年間で313%増加したという「they」を選んだ。2019年にロシア語メディアで最も使用された単語は「火災」だった。 ロシアのシベリアで発生した森林火災では、250万ヘクタールが焼失した。(プーシキン記念ロシア語大学)。

なお、今年に限らず多くの国で重要性を持つ「ボランティア」という言葉も、候補に挙げることができるのではないだろうか。ボランティア活動に参加する年齢層、国籍、またその活動分野は、拡大の一途をたどっている。

もちろん、スポーツボランティア

ルジニキスタジアムにて - Sputnik 日本
「ロシアからこんにちは!」 サッカーを通じて親友となった若き2人の日本人サポーター 「ロシアのおもてなしに感謝している」
最も広く知られているのはスポーツボランティア。スポーツイベントには欠かせない存在だ。2018年にロシアで開催されたサッカーワールドカップでは、1万5000人のボランティアが活躍した。

2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、8万人のボランティアが必要とされているが、すでに20万人以上の応募があった。

大規模な国際競技大会のボランティアには、外国語の知識だけでなく、社交性、寛容性、活発さ、そしてスポーツが好きであることなどの特別な能力も求められる。

環境および社会福祉ボランティアは世界で最も必要とされている

人気のあるもう1つの分野が、環境ボランティアだ。シベリアの森林火災では、専門家の他に大勢のボランティアが消火活動に参加した。環境ボランティアも国際的な性格を有している。たとえば、バイカル湖の保護を目的とした国際プログラム「Baikal Calling」などがある。また古い記念碑の修復、ビーチの清掃、発掘作業、鳥やイルカの観察プログラムなどにボランティアとして参加することもできる。世界自然保護基金(WWF)は、多くのボランティアプログラムを提供している。

世界最大の淡水湖バイカル湖が環境危機にひんしている - Sputnik 日本
世界最大の淡水湖バイカル湖が環境危機にひんしている
環境ボランティアはずいぶん前から存在するが、スウェーデンの若き環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんの影響で今年のトレンドとなった。トゥーンベリさんの国連サミットでの感情的な演説は、世界中の多くの人々にインスピレーションを与えた。トゥーンベリさんは、数千人の活動家が政治家や企業家に対して気候変動対策のための温室効果ガスの排出削減措置を早急に講じるよう訴える環境抗議活動「 FridaysForFuture(未来のための金曜日)」を組織した。

もう1つの分野は、展示会、フェスティバル、国際フォーラムなどで活動するイベントボランティアだ。このようなボランティアの特典は、イベントを内部から見れることだ。

きわめて重要な分野になりつつあるのが、身寄りのない人、高齢者、子ども、障害者などの支援を行う社会福祉ボランティアだ。国連によると、2018年には人類史上初めて、全世界の65歳以上の人口が5歳未満の子どもの数を上回った。2019年の80歳以上の人口は1億4300万人だが、2050年には4億2600万人まで増加する見込みだという。

行方不明者の捜索と救助

東京五輪 - Sputnik 日本
「明日だろうと福島へ行く」:東京五輪のボランティアに応募したロシア人にインタビュー
ロシアでは2019年、救助隊「リーザ・アラート」が、最も輝かしく効果的な活動をしているボランティア団体の1つとして認められた。時に、「リーザ・アラート」への依頼が、行方不明者を見つけるための唯一の手段となることもある。「リーザ・アラート」のボランティアたちは、行方不明者を探し出すためには時間も労力も惜しまない。同団体の名称は、ある1つの出来事が由来となっている。2010年、モスクワ州東部の都市オレホヴォ=ズエヴォで4歳の少女、リーザちゃんが行方不明になった。捜索活動が開始されたのは、リーザちゃんの行方が分からなくなってから5日後だった。約500人のボランティアが一日中、あらゆる住宅や町の周辺の森林をくまなく捜索した。そしてリーザちゃんは見つかった。だが遅すぎた。リーザちゃんは行方不明になってから9日目に低体温症により死亡した。見つかったのは10日目だった。助けを求める声に応え、独立した組織的な捜索に参加した人々は、この悲劇的な出来事に衝撃を受け、このような出来事が二度と起こらないよう、団結することを決めた。そして2010年10月14日、ボランティアたちによる救助隊「リーザ・アラート」が誕生した。死亡したリーザちゃんの名を冠した同救助隊は、行方不明者の捜索と救助を目標に掲げた。創設から9年間で5万5000人の捜索願が受理され、4万6000人以上が生きて見つかった。

リーザ・アラート」は、「我々は休日も祝日もなしで24時間無料で活動する用意がある。他人の子どもというのは存在せず、人間の命は貴重であるため、出費を考えることなく、無関心ではいられないすべての人が参加して人命を救う必要がある」というスローガンを掲げている。

ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала