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日本の国会議員が頻繁に台湾を訪問するのは、アジア政治でより大きな役割を果たしたいという願望の表れ
日本の国会議員が頻繁に台湾を訪問するのは、アジア政治でより大きな役割を果たしたいという願望の表れ
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... 2022年8月25日, Sputnik 日本
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5月、自民党の小倉將信青年局長と日本の国会議員が台湾を訪問した。小倉氏は現在、第2次岸田改造内閣で内閣特命担当大臣(少子化対策担当)に就任している。この訪問の際、台湾の蔡英文総統は台湾と日本の関係はますます緊密なものになっていると強調した。蔡氏はその例として、日本は台湾に420万回分以上の新型コロナウイルスワクチンを提供し、台湾は日本に新型コロナ対策として防護服を寄贈していることを挙げた。この訪問で日本の議員団は、日本を深く愛し、両国の絆に大きく貢献した故李登輝総統の墓参りも行った。そして7月末には、日本の国会議員である石破茂氏や浜田靖一氏ら4名が台湾を訪問した。石破氏と浜田氏は防衛大臣を務めた経験がある人物で、浜田氏については8月10日から再び防衛大臣に再就任している。議員団は台北で行われた記者会見で、台湾の良き友人である安倍晋三元首相の急逝後も、日本と台湾の関係は途絶えることはなく、両国関係をさらに発展、促進させるための努力は続いていくとの考えを示した。これよりも前の3月23日、安倍氏と蔡総統はオンライン形式の対談を行った。この対談は日華議員懇談会が主催したもので、安倍氏はこの議員連盟の相談役を務めていた。会談の主な議題は、日本が主導的な役割を果たすCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)への台湾の加盟についてだった。また、インド太平洋地域の安全保障問題に関する議論も行われた。この時、蔡氏は、現状を変更するために一方的に軍事力を行使し、台湾の民主的主権を侵害することは容認できないとの考えを示した。 安倍首相もこの考えに同意し、台湾と日本は地域の安定を維持するために情報を交わすことが可能であると述べた。安倍氏は、中国の野望を封じるために、米国との同盟の一環として日本が防衛力を強化する必要があると考えていた。安倍氏は、台湾に対する侵攻の企ては、日本に対する侵攻の企てであり、台湾の非常事態は、日本の非常事態であり、日米同盟の非常事態でもあると指摘した。8月に日本の議員団が台湾を訪問した際、蔡氏は、中国による台湾への攻撃は「インド太平洋地域と世界の民主主義体制に深刻な脅威をもたらすことになるだろう」と繰り返し述べた。蔡氏は台湾と日本は共通の価値を持つ安全保障上のパートナーであると強調した上で、この点において中国が台湾を攻撃すれば日本にとって軍事的な脅威となり、日米同盟による軍事介入が必要と考える日本国内の勢力を支持するとの考えを示した。台湾をめぐる情勢は、米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問して以降エスカレートしている。中国側は、ペロシ氏の訪台は中国の主権をあからさまに侵害するものだと強く反応している。 中国政府はこの動きを台湾分離主義への支持とみて、台湾へのミサイル攻撃や上陸を想定した大規模な軍事演習を開始した。この演習の際には、発射された中国の弾道ミサイル数発が日本の排他的経済水域に落下した。 当時、防衛大臣を務めていた岸信夫氏は、中国の弾道ミサイルがこの海域に落下したのは初めてのことであり、国と国民の安全保障を脅かすものだと強調した。これに対し、中国外交部(外務省)は、中国政府は日本の排他的経済水域を認めておらず、日中両国はこの海域の境界をまだ確定していないとの考えを示した。その一方で、日本の国会議員の台湾訪問は、中国側からそれほどネガティブな反応を引き起こしていない。 通常は、口頭や文書で不快感を示すくらいでとどまっている。なぜ、こういったことになるのだろうか?この疑問に、ヨーロッパ中国学会の会員で、モスクワ大学アジア・アフリカ諸国大学の学長であるアレクセイ・マスロフ教授が答えてくれた。マスロフ氏は、中国が「非平和的」に台湾を併合する可能性を完全に否定することはできないが、こういった事が当事国が不可逆的な措置をとることを抑止するはずだとみている。
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日本の国会議員が頻繁に台湾を訪問するのは、アジア政治でより大きな役割を果たしたいという願望の表れ
24日、日本の超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の古屋圭司会長と、木原稔事務局長は3日間に及ぶ台湾への訪問を終えた。日本の国会議員による台湾訪問は、今年で3度目。この訪問は、秋葉剛男国家安全保障局長と、中国共産党中央政治委員の外交トップである楊潔篪氏が17日に会談してから文字通り数日後に行われた。秋葉氏と楊氏は、台湾をめぐる緊張が高まっているにもかかわらず、建設的で安定した二国間関係を構築するために対話を継続する必要があるとの考えで一致した。
5月、自民党の小倉將信青年局長と日本の国会議員が
台湾を訪問した。小倉氏は現在、第2次岸田改造内閣で内閣特命担当大臣(少子化対策担当)に就任している。この訪問の際、台湾の蔡英文総統は台湾と日本の関係はますます緊密なものになっていると強調した。蔡氏はその例として、日本は台湾に420万回分以上の新型コロナウイルスワクチンを提供し、台湾は日本に新型コロナ対策として防護服を寄贈していることを挙げた。この訪問で日本の議員団は、日本を深く愛し、両国の絆に大きく貢献した故李登輝総統の墓参りも行った。
そして7月末には、日本の国会議員である石破茂氏や浜田靖一氏ら4名が
台湾を訪問した。石破氏と浜田氏は防衛大臣を務めた経験がある人物で、浜田氏については8月10日から再び防衛大臣に再就任している。議員団は台北で行われた記者会見で、台湾の良き友人である安倍晋三元首相の急逝後も、日本と台湾の関係は途絶えることはなく、両国関係をさらに発展、促進させるための努力は続いていくとの考えを示した。
これよりも前の3月23日、安倍氏と蔡総統は
オンライン形式の対談を行った。この対談は日華議員懇談会が主催したもので、安倍氏はこの議員連盟の相談役を務めていた。会談の主な議題は、日本が主導的な役割を果たすCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)への台湾の加盟についてだった。また、インド太平洋地域の安全保障問題に関する議論も行われた。この時、蔡氏は、現状を変更するために一方的に軍事力を行使し、台湾の民主的主権を侵害することは容認できないとの考えを示した。 安倍首相もこの考えに同意し、台湾と日本は地域の安定を維持するために情報を交わすことが可能であると述べた。安倍氏は、中国の野望を封じるために、米国との同盟の一環として日本が防衛力を強化する必要があると考えていた。安倍氏は、台湾に対する侵攻の企ては、日本に対する侵攻の企てであり、台湾の非常事態は、日本の非常事態であり、日米同盟の非常事態でもあると指摘した。
8月に日本の議員団が台湾を訪問した際、蔡氏は、中国による
台湾への攻撃は「インド太平洋地域と世界の民主主義体制に深刻な脅威をもたらすことになるだろう」と繰り返し述べた。蔡氏は台湾と日本は共通の価値を持つ安全保障上のパートナーであると強調した上で、この点において中国が台湾を攻撃すれば日本にとって軍事的な脅威となり、日米同盟による軍事介入が必要と考える日本国内の勢力を支持するとの考えを示した。
台湾をめぐる情勢は、米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問して以降エスカレートしている。中国側は、ペロシ氏の訪台は中国の主権をあからさまに侵害するものだと強く反応している。 中国政府はこの動きを台湾分離主義への支持とみて、台湾へのミサイル攻撃や上陸を想定した大規模な軍事演習を開始した。この演習の際には、発射された中国の
弾道ミサイル数発が日本の排他的経済水域に落下した。 当時、防衛大臣を務めていた岸信夫氏は、中国の弾道ミサイルがこの海域に落下したのは初めてのことであり、国と国民の安全保障を脅かすものだと強調した。これに対し、中国外交部(外務省)は、中国政府は日本の排他的経済水域を認めておらず、日中両国はこの海域の境界をまだ確定していないとの考えを示した。
その一方で、日本の国会議員の台湾訪問は、中国側からそれほどネガティブな反応を引き起こしていない。 通常は、口頭や文書で不快感を示すくらいでとどまっている。なぜ、こういったことになるのだろうか?この疑問に、ヨーロッパ中国学会の会員で、モスクワ大学アジア・アフリカ諸国大学の学長であるアレクセイ・マスロフ教授が答えてくれた。
「外国の政治家による台湾訪問は、常に中国当局の不興を買う。 中国政府は、米国、欧州連合(EU)、その他の国々に対して、台湾とのあらゆる公的な接触を止め、分離主義的な機運を支持しないよう繰り返し求めている。しかし、ペロシ氏は米国の政治ヒエラルキーにおいてナンバー3の人物であり、日本の国会議員とは比較にならないほどだ。 中国にとって最も重要なことは、台湾の主権を強化するような訪問を断固として許さず、他は見て見ぬふりをすること。また、日本は外交政策において完全に独立しているわけではない。日本の国会議員が頻繁に台湾を訪問するのは、アジアの政治でより大きな役割を果たしたいという願望があるからだが、それは友好のジェスチャーに過ぎない。日本は中国との関係を悪化させることはないだろう。なぜなら、日本と中国は貿易での結びつきが非常に強く、日中双方が高いレベルを維持したいと考えているからだ。米国と中国も同じ理由で、レッドラインを越えたくないのだ。つまり、相互間において脅威があるにも関わらず、米中間の軍事衝突が実現しないことを望む理由があるということだ。両国の経済的な結びつきが強すぎるため、潜在的な損失があまりにも大きいのだ。2021年には米中間の貿易高が28.7%増加し、7550億ドル(約103兆円)を超えた。一方、中国は米国債への投資を減らしているとはいえ、まだ9800億ドル(約133兆円)を保有している...」
マスロフ氏は、中国が「非平和的」に台湾を併合する可能性を完全に否定することはできないが、こういった事が当事国が不可逆的な措置をとることを抑止するはずだとみている。