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【解説】バリで開かれたG20サミット グローバルな問題の解決において大きな成果は得られなかった?
【解説】バリで開かれたG20サミット グローバルな問題の解決において大きな成果は得られなかった?
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G20は政治的な問題について話し合う場ではなく、多くの国の人々の生命維持にとって大きな意味を持つ、金融・世界経済に関する国際的な問題について協議を行い、共通の方向性を作り出すために作られたものであるにもかかわらず、11月16日に閉幕したサミットの参加者らが注目したのは、ロシア・ウクライナの紛争であった。 2022年11月21日, Sputnik 日本
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このことは、会議を総括して採択された宣言にも反映され、G20加盟国のほとんどが、ウクライナにおける紛争を非難したものの、「現在の状況や制裁に関する異なる意見」も指摘された。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官によれば、ロシア政府はG20サミットの結果、とりわけ、宣言の中にウクライナ問題について異なるアプローチが記されたことに、満足を表している。ロシアが孤立しているというのは誇大表現日本のメディアはサミットでロシアが孤立していたと書き立てている。しかし、その根拠はきわめて乏しく、挙げられているのは、単にプーチン大統領がサミットに欠席し、代理で出席したラブロフ外相も1日目しか出席しなかったということだけである。この根拠が十分でないことを露呈しているのは、サミットの1日目と、デジタル化について話し合われた11月16日の2日目に、アントン・シルアノフ財務相が出席したことである。シルアノフ財務相は、ロシア代表団は今回のサミットでいかなる孤立も感じなかったと述べている。「もちろん、西側諸国の演説では、ロシアは特別軍事作戦を終了すべきだという一定の論調が見られました。しかし、重要な問題において、ロシアの参加なしに話し合われることはありませんでした。なぜなら我が国は世界経済における大部分を占めているからです」一方、モスクワ国立大学政治分析学部のアレクサンドル・コニコフ助教授は、おそらく、諸外国の希望的観測であると述べている。穀物と肥料の供給について今回のサミットでの重要な議題の一つとなったのが、ウクライナにおける状況を背景としたエネルギー資源および食糧の価格高騰で、これをめぐって西側とロシアは互いを非難している。サミットの議題となった重要な問題について、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、記者会見の中でロシアの立場を説明した。「スプートニク」は、アレクサンドル・コニコフ助教授に取材し、ラブロフ外相の声明の中でもっとも重要な点についてお話を伺った。ラブロフ外相は、ロシアには世界の穀物・肥料市場の安定を保障するためのあらゆる可能性があると言明しつつ、輸出に対する障壁は残されているとした。ラブロフ外相によれば、「あらゆる困難や制裁による制限にもかかわらず、ロシアからはすでにおよそ80万トンの小麦を含む1050万トンの穀物が輸出され」、「およそ60%がアジアに、またおよそ40%がアフリカ諸国に供給された」。またラブロフ外相は、国連は穀物輸出合意の条件は遂行されると約束したと述べた。そこに含まれているのは、ウクライナの輸出ルートの軍事目的での使用の禁止、ロシアの船舶の欧州の港への寄港、外国船のロシアの港への寄港、ロシア農業銀行に対するすべての手続きの許可などである。エネルギー安全保障についてエネルギー資源の供給について話し合う中で、ラブロフ外相は、最近発表されたブルームバーグの研究について指摘し、具体的な結論を導き出した。それは、対ロシア制裁を背景とした、自国のエネルギー安全保障強化のための欧州諸国の措置は、発展途上国のエネルギー貧困の急激な悪化を招いているということである。ラブロフ外相は、「我々は、この問題の政治化をやめるよう求め、世界のエネルギー市場から人工的、差別的なあらゆる障壁を取り除くことを求めた。そして、エネルギーの供給国と消費国の間で、自由かつ率直な対話を始めるよう提案した」と述べている。ラブロフ外相によれば、ロシアはエネルギーの安全保障を強化するためあらゆることを行っている。たとえば、液化天然ガスの生産の増加、多国家間のパイプラインプロジェクトの発展、トルコでのガスのハブの創設などである。ウクライナとの協議についてラブロフ外相は、ロシアはウクライナとの協議を拒否しないと言明し、「もし、拒否している者がいるとすれば、それはウクライナの方である。そして協議を拒否する時間が長くなれば長くなるほど、最終的に合意を結ぶのが難しくなるだろう」、「すべての問題は、いかなる協議も断固として拒否し、明らかに非現実的で、状況に合致しない条件を提示するウクライナ側にある」と指摘した。
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【解説】バリで開かれたG20サミット グローバルな問題の解決において大きな成果は得られなかった?
2022年11月21日, 21:33 (更新: 2022年11月22日, 17:17) G20は政治的な問題について話し合う場ではなく、多くの国の人々の生命維持にとって大きな意味を持つ、金融・世界経済に関する国際的な問題について協議を行い、共通の方向性を作り出すために作られたものであるにもかかわらず、11月16日に閉幕したサミットの参加者らが注目したのは、ロシア・ウクライナの紛争であった。
このことは、会議を総括して採択された宣言にも反映され、G20加盟国のほとんどが、ウクライナにおける紛争を非難したものの、「現在の状況や制裁に関する異なる意見」も指摘された。
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官によれば、ロシア政府はG20サミットの結果、とりわけ、宣言の中にウクライナ問題について異なるアプローチが記されたことに、満足を表している。
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メディアはサミットでロシアが孤立していたと書き立てている。しかし、その根拠はきわめて乏しく、挙げられているのは、単にプーチン大統領がサミットに欠席し、代理で出席したラブロフ外相も1日目しか出席しなかったということだけである。
この根拠が十分でないことを露呈しているのは、サミットの1日目と、デジタル化について話し合われた11月16日の2日目に、アントン・シルアノフ財務相が出席したことである。
シルアノフ財務相は、ロシア代表団は今回のサミットでいかなる孤立も感じなかったと述べている。
「もちろん、西側諸国の演説では、ロシアは特別軍事作戦を終了すべきだという一定の論調が見られました。しかし、重要な問題において、ロシアの参加なしに話し合われることはありませんでした。なぜなら我が国は世界経済における大部分を占めているからです」
一方、モスクワ国立大学政治分析学部のアレクサンドル・コニコフ助教授は、おそらく、諸外国の希望的観測であると述べている。
「実際、これは誇大な表現以上の何ものでもありません。ロシアはその地理的、経済的指標から、誰がいかに望もうとも、孤立させることなどできません。
これは、すべての国際的な枠組みにおいて、ロシアを悪魔化しようとし、世界に自分たちの構想を押し付けようとする西側の一種の政治的な目論みです。しかし、諺にもあるように、『犬は吠えても、隊商は進む』のです(悪意ある無意味な批判を受けても、自分のやるべきことを続けるという意)」。
今回のサミットでの重要な議題の一つとなったのが、ウクライナにおける状況を背景としたエネルギー資源および食糧の価格高騰で、これをめぐって西側とロシアは互いを非難している。
サミットの議題となった重要な問題について、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、記者会見の中でロシアの立場を説明した。
「スプートニク」は、アレクサンドル・コニコフ助教授に取材し、ラブロフ外相の声明の中でもっとも重要な点についてお話を伺った。
ラブロフ外相は、ロシアには世界の穀物・肥料市場の安定を保障するためのあらゆる可能性があると言明しつつ、輸出に対する障壁は残されているとした。
ラブロフ外相によれば、「あらゆる困難や制裁による制限にもかかわらず、ロシアからはすでにおよそ80万トンの小麦を含む1050万トンの穀物が輸出され」、「およそ60%がアジアに、またおよそ40%がアフリカ諸国に供給された」。
またラブロフ外相は、国連は穀物輸出合意の条件は遂行されると約束したと述べた。
そこに含まれているのは、ウクライナの輸出ルートの軍事目的での使用の禁止、ロシアの船舶の欧州の港への寄港、外国船のロシアの港への寄港、ロシア農業銀行に対するすべての手続きの許可などである。
「これは、ロシアがサミットで孤立していないことを証明するもう一つの証拠です。ラブロフ外相は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長と会談し、ロシア産の食糧および肥料の輸出緩和に向けたプロセスに関するあらゆる問題について話し合ったほか、世界的な食糧安全保障を目的に、ウクライナの港から穀物と食糧品を安全に輸送する問題についても意見を交わしました。
こうした協議は、穀物輸出合意が120日間延長される上で決定的な役割を果たしたと、11月17日、ロシア外務省が明らかにしています。
その期限は11月18日で切れました。問題は、それを必要とする発展途上国に無償で送り、EUの港に留め置かれた30万トンのロシア産の肥料です。
ロシアは、ラブロフ外相がグテーレス事務総長との会談の中で示したすべての問題が、「パッケージ合意」が延長された120日の間に解決されることを期待しています」。
エネルギー資源の供給について話し合う中で、ラブロフ外相は、最近発表されたブルームバーグの研究について指摘し、具体的な結論を導き出した。
それは、対ロシア制裁を背景とした、自国のエネルギー安全保障強化のための欧州諸国の措置は、発展途上国のエネルギー貧困の急激な悪化を招いているということである。
ラブロフ外相は、「我々は、この問題の政治化をやめるよう求め、世界のエネルギー市場から人工的、差別的なあらゆる障壁を取り除くことを求めた。そして、エネルギーの供給国と消費国の間で、自由かつ率直な対話を始めるよう提案した」と述べている。
ラブロフ外相によれば、ロシアはエネルギーの安全保障を強化するためあらゆることを行っている。たとえば、液化天然ガスの生産の増加、多国家間のパイプラインプロジェクトの発展、トルコでのガスのハブの創設などである。
「このテーマは、サミットの議題にも含まれました。なぜなら、世界は、経済発展にブレーキをかける大々的なエネルギー危機の淵に立っているという共通した感覚を持っているからです。ロシアとウクライナの紛争が客観的に見て、世界経済の不安定要素を激化させているとしても、それは唯一の理由ではありません。
そしてサミットでは多くの要素のすべてに目が向けられました。
第一に、コロナウイルスによるパンデミックの影響をすべて克服できていないということです。
第二に、危機の最初の兆候は、昨日現れたものではありません。多くの原因は人為的な性格のものです。それは、ロシア産のエネルギー資源の輸出に対して安易に発動された制裁です。
おそらく、世界のいくつかの国は、たとえそれが困難で、高価で、安定性に欠いたとしても、ロシア産のエネルギーを回避することができるでしょう。しかし世界中がそうというわけではありません。
ロシアに対して厳しい立場を占めている日本ですら、サハリンのプロジェクトから撤退しませんでした。
他の国々は、逆に、ロシア産の石炭、ガス、石油の輸入を増加しています。そしてそのような国に対しては、危機はそれほど深刻な影響を与えていません・・・」。
ラブロフ外相は、ロシアはウクライナとの協議を拒否しないと言明し、「もし、拒否している者がいるとすれば、それはウクライナの方である。そして協議を拒否する時間が長くなれば長くなるほど、最終的に合意を結ぶのが難しくなるだろう」、「すべての問題は、いかなる協議も断固として拒否し、明らかに非現実的で、状況に合致しない条件を提示するウクライナ側にある」と指摘した。
「連帯した西側諸国が、ロシアとウクライナの紛争を拡大しようとしているにもかかわらず、それは地域的なものであり続けています。平和的な解決のために、仲介的な支援を行うことはできますが、直接的な圧力を欠けたり、命令することはできません。そしてもちろん、G20サミットは、そうした問題を解決する場所ではありません。G-20というのは、世界経済と発展に関する問題について解決するために創設されたものだからです。しかしながら、今回のサミットではこうした問題の解決において、大きな成果は達成されず、多くの問題において、コンセンサスを得ることもできませんでした。もっとも、誰も期待もしていなかったと思いますが」。