https://sputniknews.jp/20230221/start-15047092.html
【視点】ロシアが新STARTへの参加停止 この先何が起こるのか
【視点】ロシアが新STARTへの参加停止 この先何が起こるのか
Sputnik 日本
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日に行った議会への年次教書演説のなかで、新戦略兵器削減条約(新START)への参加を一時的に停止すると表明した。このことは世界全体にどのような影響をもたらすのか、国際安全保障の形を変えるものとなるのか、スプートニクは国際情勢に詳しい専門家に話を聞いた。 2023年2月21日, Sputnik 日本
2023-02-21T23:30+0900
2023-02-21T23:30+0900
2023-02-22T04:55+0900
ロシア
ウラジーミル・プーチン
米国
核兵器
国際
武器・兵器
戦争・紛争・対立・外交
オピニオン
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e7/02/15/15045244_0:0:2861:1609_1920x0_80_0_0_b6931d2eb9d69bba1f4f8977c99068e7.jpg
ロシア政府付属財政大学のゲボルグ・ミルゾヤン准教授(政治学)は、スプートニクの取材に対し、ロシアの参加は条約に基づく監査について米国と合意できなかった2022年時点で事実上停止していると話す。これは監査の実施条件が米国にとって一方的に有利で、ロシアによる米国領空での監査権を認めないものとなっていたからだという。その一方でミルゾヤン准教授は、ロシアが西側を破壊しようとしているわけでないということも重要だと指摘。それでも、ロシアは西側がロシアを破壊しようとしていることを黙認するわけにはいかないと強調する。だが、プーチン大統領は年次教書演説で、ロシアは厳しい対抗措置を取るとはっきりさせた。それには核実験の可能性など核の分野も含まれている。また、これに対して米国やその同盟国からどういった対抗措置が返ってくるかは、現段階では推測することしかできないとミルゾヤン准教授は話す。だが、西側の最初の反応の場は、ポーランド訪問中の米国のジョー・バイデン大統領の演説となるだろうとしている。関連ニュース
https://sputniknews.jp/20230221/start-15045772.html
https://sputniknews.jp/20230221/15038652.html
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
2023
タチヤナ フロニ
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/163/20/1632034_147:0:2295:2147_100x100_80_0_0_ea6e927c9b90ffd7b42585392e2af064.jpg
タチヤナ フロニ
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/163/20/1632034_147:0:2295:2147_100x100_80_0_0_ea6e927c9b90ffd7b42585392e2af064.jpg
ニュース
jp_JP
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e7/02/15/15045244_57:0:2788:2048_1920x0_80_0_0_94c6092c98c2bd89e174c0f5141c092f.jpgSputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
タチヤナ フロニ
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/163/20/1632034_147:0:2295:2147_100x100_80_0_0_ea6e927c9b90ffd7b42585392e2af064.jpg
ロシア, ウラジーミル・プーチン, 米国, 核兵器, 国際, 武器・兵器, 戦争・紛争・対立・外交, オピニオン
ロシア, ウラジーミル・プーチン, 米国, 核兵器, 国際, 武器・兵器, 戦争・紛争・対立・外交, オピニオン
【視点】ロシアが新STARTへの参加停止 この先何が起こるのか
2023年2月21日, 23:30 (更新: 2023年2月22日, 04:55) ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日に行った議会への年次教書演説のなかで、新戦略兵器削減条約(新START)への参加を一時的に停止すると表明した。このことは世界全体にどのような影響をもたらすのか、国際安全保障の形を変えるものとなるのか、スプートニクは国際情勢に詳しい専門家に話を聞いた。
ロシア政府付属財政大学のゲボルグ・ミルゾヤン准教授(政治学)は、スプートニクの取材に対し、ロシアの参加は条約に基づく監査について米国と合意できなかった2022年時点で事実上停止していると話す。これは監査の実施条件が米国にとって一方的に有利で、ロシアによる米国領空での監査権を認めないものとなっていたからだという。
「今回のプーチン大統領のこの表明は、演説冒頭で述べた『西側は信頼できないため、当面はいかなる協議の展望もない』という文脈でも理解すべきだ。少なくとも、現在西側がロシアに提起している条件ではありえない。
この視点でみれば、ロシアの事実上の新START拒否は非常に重要だ。米国が行き過ぎた行動をとったため、ロシアは核のエスカレーションの準備ができている。ロシアはもはや自らを抑えず、最後まで国益を守る道を選ぶことになる」
その一方でミルゾヤン准教授は、ロシアが西側を破壊しようとしているわけでないということも重要だと指摘。それでも、ロシアは西側がロシアを破壊しようとしていることを黙認するわけにはいかないと強調する。
「新STARTの拒否はロシアと西側の対立の危険性を大きく高める。米国も西側諸国がこの先もウクライナへの兵器供給を続ければ、ロシアが国際情勢のエスカレートにつながる措置を取ると明らかにしている。西側はこれまでも危険性についてシグナルを送っていた。
だが、米国はそれに疑問を持ち、ロシアは厳しい対抗措置は取らないと高をくくった。西側が紛争を長引かせ、ウクライナを積極的に武装させる間、ロシアは受動的に動くと思っていたのだ。ロシアがウクライナ側の条件で西側と何らかの協定を結ぶという観測さえあった」
だが、プーチン大統領は年次教書演説で、ロシアは厳しい対抗措置を取るとはっきりさせた。それには核実験の可能性など核の分野も含まれている。
「これはエスカレーションに向かうには十分に深刻なステップとはいえない。バイデン大統領は西側が思い切ってウクライナに兵器を供給できるよう、ロシアは『紙のクマ』だと説明して欧州を納得させた。一方、プーチン大統領は新STARTを拒否することで、ロシアがエスカレーションと長期的な消耗戦の準備ができているとみせつけたのだ」
また、これに対して米国やその同盟国からどういった対抗措置が返ってくるかは、現段階では推測することしかできないとミルゾヤン准教授は話す。だが、西側の最初の反応の場は、ポーランド訪問中の米国のジョー・バイデン大統領の演説となるだろうとしている。