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【視点】2つの超大国を接近させたのは西側 ロシア人専門家
【視点】2つの超大国を接近させたのは西側 ロシア人専門家
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中国の習近平国家主席のモスクワ訪問と中国からの支援は、一方的な制裁でロシア経済に圧力をかけようとする米国とその同盟国への挑戦状を意味する。欧米の専門家らの見解の主なレイトモチーフはこういったものだ。 2023年3月20日, Sputnik 日本
2023-03-20T22:45+0900
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スプートニクは、「グローバル政治におけるロシア」誌の編集長で、NGO「外交国防政策会議」の議長であり、ロシア国際問題評議会の一員であるフョードル・ルキヤノフ氏に、中国指導者のモスクワ訪問とプーチン大統領との会談に対する西側の反応についてコメントを求めた。ルキヤノフ氏はこの訪問に対する欧米の反応は2段階に分かれると見ている。その一方でルキヤノフ氏は、実際の意味を持つのは他の、より深刻なリアクションだと見ている。ルキヤノフ氏は、西側諸国は、中国が対露関係においては一連の状況を考慮して、より慎重になるとふんでいたと指摘する。こうした中で欧米メディアの中には、習国家主席がモスクワ訪問後にウクライナのゼレンスキー大統領に電話する可能性があると見る向きもある。ロシア科学アカデミー・プリマコフ記念世界経済国際関係研究所のアレクサンドル・ロマノフ副所長は、この情報は信憑性に欠けるという見解を表している。一方で、欧米の政治エリートの発言が常に、起きている事態を客観的に評価する基準にはなるわけではない。これは悲しむべきことではあるが、事実として受け入れざるをえないとロマノフ氏は語る。ロマノフ氏は、中国は欧米からの地政学的・経済的な圧力にもかかわらず、右肩上がりに成長していると補足している。中国とロシアの接近に対して欧米が否定的な反応を見せる裏には理由があるとロマノフ氏は考える。関連ニュース
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ロシア, 中国, 国際, 米国, 戦争・紛争・対立・外交, 習近平, ウラジーミル・プーチン, オピニオン
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【視点】2つの超大国を接近させたのは西側 ロシア人専門家
2023年3月20日, 22:45 (更新: 2023年3月21日, 05:42) 中国の習近平国家主席のモスクワ訪問と中国からの支援は、一方的な制裁でロシア経済に圧力をかけようとする米国とその同盟国への挑戦状を意味する。欧米の専門家らの見解の主なレイトモチーフはこういったものだ。
スプートニクは、「グローバル政治におけるロシア」誌の編集長で、NGO「外交国防政策会議」の議長であり、ロシア国際問題評議会の一員であるフョードル・ルキヤノフ氏に、中国指導者のモスクワ訪問とプーチン大統領との会談に対する西側の反応についてコメントを求めた。
ルキヤノフ氏はこの訪問に対する欧米の反応は2段階に分かれると見ている。
「第1が、公的なプロパガンダ的な反応で中国の指導者の訪問は、主人が家臣に会いに来たというふうに紹介される。臣下のほうはどうしようもないので、忠誠心を示す。習近平氏のモスクワ訪問を報じる各社の大半のライトモチーフはこれだが、それは訪問の意味をできるだけ矮小化しようというのが目的だ」
その一方でルキヤノフ氏は、実際の意味を持つのは他の、より深刻なリアクションだと見ている。
「中国とロシアの和解は、米国と一丸となった西側諸国には非常に気に食わない。西側は和解が進むスピードに困惑している。なぜなら、西側の憶測では中国はより抑制的な道を歩むはずだったからだ。
そして、中国は自制を口にしてはいるが、中国にとって必要と考えることを行っている。つまり、自分らに敵対する2つの超大国の間の和解を促しているのは西側諸国自身だというテーマは間違いなく存在している。
米国の共和党がバイデン大統領を非難するために利用しているのがこのテーマで、大統領が自らの政策で自国の敵どうしの絆を固くしていると主張している。 これは、特に選挙戦の開始にも左右されるものだ」
ルキヤノフ氏は、西側諸国は、中国が対露関係においては一連の状況を考慮して、より慎重になるとふんでいたと指摘する。
「実際は、露中の間ではますます明白な連帯化が生まれている。おそらくこれはロシアが期待していたほどではないが、西側諸国に警戒感をもたせるには十分だ。したがって、米国は自らの(反露・反中国)路線に引き込むためにさらなる論拠を出すためにこの状況を利用するだろう」
こうした中で欧米メディアの中には、習国家主席がモスクワ訪問後にウクライナのゼレンスキー大統領に電話する可能性があると見る向きもある。
ロシア科学アカデミー・プリマコフ記念世界経済国際関係研究所のアレクサンドル・ロマノフ副所長は、この情報は信憑性に欠けるという見解を表している。
「昨今の欧米のマスコミは信用できない。そうした電話を計画しているという声明は中国外交部の声明からも出ていないし、公式的なシグナルも現時点ではない。したがって議論することは何もない。
習国家主席のモスクワ訪問の前に、中国とウクライナの外相レベルでは電話会談があった。両国のコンタクトはこれが限界だという可能性も否定はできない。なぜなら西側では、中国がウクライナ紛争の休戦を提案しても受け入れ不可能という見解がすでに表されているからだ。なぜなら、この休戦はウクライナが紛争でロシアに勝てないことを意味してしまうからだ。
したがって、和平へもっていこうとする流れに対して、西側の抵抗が非常に強くなることは間違いない。中国は最近のサウジアラビアやイランの例にあるように、当事者どおしに実際に和解の準備ができている場合には平和を作り出す役割を見事に演じることができる。これに対して、ウクライナ紛争は今は逆の状況で、現在、欧米側が出すのはただ最後通告だけだ」
一方で、欧米の政治エリートの発言が常に、起きている事態を客観的に評価する基準にはなるわけではない。これは悲しむべきことではあるが、事実として受け入れざるをえないとロマノフ氏は語る。
「西側の発言はまさに、中国がウクライナとロシアを和解させるだろうというふうに解釈されるべきだ。あるいは逆に、中国が明日にもロシアに軍事物資を大規模に供給し始めるという説もある。どちらの発言も、ウクライナ紛争に関する西側の地政学的な言説と専ら結びついているのだから」
ロマノフ氏は、中国は欧米からの地政学的・経済的な圧力にもかかわらず、右肩上がりに成長していると補足している。
「西側は、中国の前にはロシアに圧力をかけて、悲惨な経済的結果を引き起こそうとしてきた。今日の対中関係でも西側はこのパターンを踏襲している。中国はトランプ政権下の時も欧米を刺激しないよう、外交バランスを保とうとしてきた。ところがバイデン氏が政権をとり、大々的な反中連合を作り上げた時点で、中国は実質的には交渉相手はいないことを悟った。米中両国には、もはや交渉の議題は残ってはいない。それはこの間に欧米ではテーマとしては中国抑止が優勢になったからだ」
中国とロシアの接近に対して欧米が否定的な反応を見せる裏には理由があるとロマノフ氏は考える。
「ロシアとの経済・投資関係のすべて断ち切ったのは西側諸国のほうだ。このような状況でロシアは新しいパートナーを探しを始め、昔からのパートナーに慎重な接近を開始しているが、その中に中国も入っている。これは露中両国にとっては経済交流が本格的に発展する見通しを開いている。露中の貿易は大幅に伸びている。とりわけ、インフラの合同プロジェクトの実現に向けた連携は活発化するだろう。中国資本が100%参加するジョイントベンチャーもそのひとつだ」